嘽皇国の帝、姫舜は明君と呼ばれている。しかし彼には問題があり、その問題を解決するために禍祓士の姚流麗が宮廷に呼ばれた。
姚流麗は姫舜とともに、後宮の闇に立ちむかうのだが……
中華ファンタジーにも色々ありますが、本作は呪術師が活躍する呪いが実在する世界が舞台です。
病を患う賢帝、麗しいが影のある禍祓士、好々爺の医者、それに後宮の美しい花たち。個性的な登場人物たちが織りなす物語は、重厚でほの暗く、呪が関係するトラブルにふさわしい雰囲気。
姫舜の患う病気は治るのか?
後宮に巣くう闇は払えるのか?
姫舜と姚流麗は恋仲になるのか?
気になる問題が盛りだくさんで、最後まで飽きずに読めること間違いなしです。
ちなみに、わたしの推しキャラは断然、姫舜!
すごくかっこよかった♪
剋帝(こくてい)姫(き)舜(しゅん)は、国を治める腕は名君との呼び声高いが、一方で後宮に5人もの妻を抱えつつも、誰の元へも通わない。なぜなら、女たちの顔には黒い靄や蟲が張り付いて見えるからだ。この世に在らざる禍を目で見てしまう皇帝の元に呼ばれたのは、禍祓いの一族である、禍祓士(かばつし)の姚(よう)流麗(りゅうれい)。
白い仮面を着けているものの、立ち居振る舞いや言葉使いは艶やか。何より彼女には蟲がいない。舜はすぐに流麗に興味を抱く。――
後宮に渦巻く女どもの禍々しい欲と、過去の出来事、そして舜の皇帝としての生き方が錯綜する重厚なストーリーは、最後まで読者を惹き付けて離さない。
罪と贖罪。皇帝と国。横たわる背景は重いが、原動力はやはり人だ。間違いも、正しさも、もたらすのは全て人なのだ。
特に流麗が長年密かに持ち続けてきた想いが報われるような瞬間は、今まで真っ黒な霧に覆われていた視界が一気に晴れるようで。
中華ファンタジーがお好きな方も、そうでない方も、是非ご一読いただきたい。
きっとこれは、情愛を煮詰めた、人の真実の物語だから。
中華ファンタジーの世界で『皇帝』といえば……後宮の美女達にモテモテ?
権力の象徴で、願えば全てが叶う?
そんなイメージですよね??
ところがこちらの作品の舜様には、どんな美女が現れようが、ハッピーエンドにはなり得ない理由が。
そんな時に出会うのが、『禍(まが)』を払う流麗。
こちらの流麗さん、キリッとした美人さん。
毒婦と呼ばれようとも、とてもカッコ良い方で、読めばファンになる事間違いありません。
そして舜様も、加筆された今回は、更にイケメン度がアップされてます。
中華ファンタジーに馴染みの無い方にも、ぜひ!
この世界に浸って頂きたい。
そんな、全力でオススメしたい作品です。