ガラスアレルギー
『現実で見たやばいやつを上げるスレpart13』より抜粋(複数投稿の内容を一つにまとめて記載)。
名前:名無しさん@ホラー :2013/04/21(日) 14:03:22.81 ID:1GHytQc3S
もう時効だと思うから言うわ。ワイが大学生だった時、ヤ●トで配達のバイトしてた時の話ね。ある日、ワイはいつものように任された荷物を運んでた。その日は任されてた件数が少なくって、早く終われそうだなって思ってたんよ。仕事にももう結構慣れてきてたってのもあって、てきぱき仕事こなして、いよいよ最後の一件になった。ただ、事前に配達ルートを見た時は気づかなかったんやけど、最後の配達先が実際に見たらちょっと山の中っぽい場所で、めんどいなぁって思ってたんよ。ささっと配って帰りたかったからね。
で、実際の配達先を見たらまぁびっくり。そこ一軒家だったんだけど、外から見える窓ガラスの全部に内側から目張りがしてあるのよ。それもお札で。場所が結構田舎だから、家自体も大きめなわけ。すると窓の数も多いじゃん?その窓の全部にお札が貼ってあるんだよ。これからこの家のインターホンを押さないといけないって考えたら、まぁ嫌で嫌で仕方がなかった。勇気がでなくて、その場で意味なくうろうろしたりキョロキョロしたりして過ごして…。ただ、まぁ最悪投げてでも荷物渡してすぐに退散しようって覚悟決めて、インターホン押して、配達に来ましたって言ってみた。そしたら暗い女の声で、「中まで持ってきて」って言うわけ。もう最悪だわって思ったね。こんなやばそうな家に住んでる奴と、玄関で顔を合わせるだけでも嫌で仕方がなかったのに、部屋の中まで持ってきてくれって言うんだから…。ただ、こうこと言われるのって田舎じゃそこまで珍しい事でもないから断りにくいくいし、この人がもしも体の不自由な人だったら後からクレーム言われて問題にされるかもしれないだろ?だから仕方なく、ワイはそのまま家の中に入ることにした…。
入ってまずびびるのは、とにかく真っ暗なのよ。外から見た時は窓だけが目張りされてるんかと思ってたけど、それだけじゃないのよね。玄関に置いてある靴のケースとか、棚とか、そういうガラスにも全部お札が貼ってあるのよ。電気付つけようにも勝手につけるわけにもいかないだろ?だからうす暗い中をゆっくりゆっくり進んでいった…。
「どこにいますかー?」って聞いたら、「こっち」って言うわけよね。一応は応えてくれることに安心しながら、ワイは家の中を進んでいった。さっきも言ったけど、廊下とか部屋とか無駄に広いのよ。暗いのもあって、どこにいるのかほんとに分からんかった。
それで、いよいよその人の所まできてみたら、もう言葉にならんかった。部屋の一面のいたるところに、A4サイズの紙にでかでかと印刷された人間の顔が無数に貼ってあった。それも全部違う女の顔。部屋の中がうす暗いのもあって、全部遺影に見えて仕方なかった。
その人は部屋の中で真っ白の服着てうずくまってて、荷物ここに置いて行けって手で合図してきた。ワイは案内されるままにその場に荷物を置いた。そしたら、間髪入れずにその人はビリビリに包装を破って中身を取り出しはじめた。…ワイはもう帰ってもよかったけど、ここまで見てしまったら一応中身が気になった。それで横目に見てたんやけど、箱の中から出てきたのはこれまた大量のお札だった。…そこまで見た時、なんかもう怖さを通り越して話しかけちゃったんよね。「そんなにたくさんのお札、どうしたんですか?なにに使うんですか?」って…。そしたらその人、こう言ってきた。「これしかもう頼れない。ガラスに女の顔が映って、私に何か言ってくる。どのガラスでも同じ。窓ガラスでも、食器棚でも、ガラスケースでも同じ。もう見たくない。ガラス見たくない」って。
ガラスをとにかく見たくない、だからお札で目張りしてる。そこまでならまだ分からんでもないけど、ワイが一番たまらなく思ってるのが部屋一面に貼ってある顔写真。「この顔写真はどうされたんですか…?」って聞いたら、その人こう言った。「ガラスに映る女の人を見つけないと、死ぬまで続くんだと思って、その人が誰なのかを探そうとした。それで目につく限りの人の顔の写真を印刷して、貼った。それとガラスの顔とを比べた。見つけたら許してもらえるかもしれないと思った。でも、見つからない。いつになっても見つからない。だからもう、お札に頼るしかない。お札に助けてもらうしかない」って。
ただその時、その人の雰囲気がちょっと変わったんだよ。いきなりワイの方向いて、「この住所知りませんか?配達の人ですよね??知り合いの方いませんか??」って言いながら手紙みたいなのを差し出してきた。そこには三重県の津市の住所が書いてあって、それが届いてからガラスに顔が見えるようになったんだと。ただ、ワイがそんなこと知ってるわけないし、携帯で住所調べてみても何にもでてこないし、架空の住所だから関係ないと思いますよって言ったんだけど、そしたらその人また元の表情に戻って無言になった。それ以降会話は何もなかったよ。ワイは一応、「ご利用ありがとうございました…」って言って急いでその家から脱出した。ただ、その時ちょっと不思議に思ったのは、鏡には何も貼られてなかったんだよな…。こういうのって鏡に何か映るのがよく聞き話やろ?なのに鏡にはなんにも貼られてなくってガラスだけ…。まぁどうでもいいけど…。
そんなこともあって、結局ワイは配達のエリアを変わってもらった。もう二度とあそこに荷物持っていきたくなかったから。ただ、その後の話を人づてに聞いた感じじゃ、それ以降もあの家に配達される荷物はたくさんあったらしい…。
っていう話を最近思い出して、そういえばあの家今どうなってるのかなって航空写真で見てみたら、完全に山の中になってるっぽい。もう取り壊されたんかな?まぁその方がいいわあんな家。
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