第5話
手紙を読みながら泣いてしまいました。どうして、どうして今まで本当のことを話して下さらなかったのですか?
あなたは言いました。雪が降る日にしか手紙は届かないと。でも実際は、雪が降る日にしか目覚めることが出来ないのですね。私には想像も出来ないような辛い思いをされているのだと思います。でも、もしそうであるならば、せめて私にだけは教えて欲しかったです。
私は、百合亜さんの全てを知りたいです。そして、そのうえで全てを受け止めたいです。
いつかあなたと一緒に、と手紙に書いて下さった百合亜さんと同じ気持ちなのです。
今すぐにとはいかないかもしれませんが、この夢を必ず実現させましょう。私も、今は窓のない白い部屋で過ごしていて、先日看護師の女性から薬の量を増やすことが決まったと言われました。カウンセリングの日数も週に一度から二度に増やされました。それに、私が一番嫌いなあいつには昨日こう言われました。「いつも自由時間に一人で窓や壁に向かって話しているけど楽しいの」って。
そんな訳ありません。私が一人で壁や窓に向かって話す訳がないのです。どうやらあいつは、とことん私のことを頭がおかしい人間にしたいようです。
中々思い通りにとはいかない人生ですけれど、私は百合亜さんとの、いつか、を叶える為にも必ず元気になります。お互いに頑張りましょうね。
真理亜
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