治療・予防 2025/01/24 05:00
より確実な早期診断に
~高齢者らに対象拡大―インフルエンザ検査法(長崎大学大学院 柳原克紀教授)~
舌の裏側には舌小帯(ぜつしょうたい)という粘膜があり、口の底とつながっている。舌小帯が生まれつき短い「舌小帯短縮症」の場合、母乳を吸いづらいなどの症状がある。「新百合ヶ丘総合病院」(川崎市麻生区)小児科で舌小帯外来を担当する伊藤泰雄医師に対処法を聞いた。
舌小帯
◇舌は筋肉
舌の動きの制限が大きいと、舌を上顎に付けることができない、突き出すことができない、唇をなめることができないといった症状が出る。
赤ちゃんは、舌を母親の乳首にしっかり当てて母乳を吸うことが難しくなる。「くわえ方が浅くて唇が乳首から外れやすくなります。十分に栄養が取れないと、体重も増えないでしょう」。母親にとっても、頻繁に授乳しなければならず負担になる。
舌小帯短縮症は新生児の4~10%に見られ、珍しい病気ではないが、治療の必要性や時期をめぐる医師の考え方は一律ではない。
◇保険診療で手術
伊藤医師は、哺乳障害の原因になっているなら、早めに手術すべきという立場だ。「舌は筋肉でできています。手足の筋肉と同じく、早期に治療して使わなければ発達しません」。一方、成長に伴い改善することを期待し、治療せずに様子を見よう、といった見解もある。
子どもの舌の動きが制限される程度、哺乳障害の程度や舌以外の原因の有無、月齢などをもとに、保護者が舌小帯短縮症の知識がある医師や歯科医師と十分に話し合い、納得した上で方針を決めるとよい。
手術法も幾つかあり、「患者が1歳未満の場合は、局所麻酔をして舌小帯をはさみで切り開いています」。手術時間は数分で、日帰りで実施可能だという。手術には健康保険が適用される。
赤ちゃんの舌小帯の異常を知るには▽舌を出した時に先端がハート形をしていたり、くびれたりしている▽泣いても舌が持ち上がらない―といった点が目安。当てはまれば、舌小帯短縮症の可能性がある。「舌小帯短縮症に詳しい医療機関をインターネットで調べるなどして、相談するとよいでしょう」と伊藤医師はアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2025/01/21 05:00)
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