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 普段通りの朝だ。

 師匠の家は居心地が良すぎて困るな。

 今日のお題はなんだろうか。

 難易度が高くなければもう何でも来い、である。



 森の領域を出て草原に出た。

 ヘリックスを通し、野犬を狙っているであろうパーティがいくつも確認できる。

 レギアスに向かうのであろうパーティともすれ違っているのだが、夜通し狩りをやってたのだろう。

 ちょっと凄い有様である。

 でも目の奥の闘志は消えていないプレイヤーばかりだ。

 見事なり狩人諸君。

 本当はオレも見習うべきなんだろうな。


 獲物を横取りする形にならないよう、街道沿いに進む。

 アクティブ状態のホーンラビットしか狩らないからあっという間にレムトに到着する。

 いつものように屋台で朝食を済ませて冒険者ギルドへと向かった。

 その途中でちょっとした驚きな出来事があった。


 それは一人のプレイヤーだった。

 当然、頭上には緑のマーカーがあるのだから見間違えようがない。

 注目すべきはその男性プレイヤーが持つロッドの先であった。

 一匹のフクロウがいる。

 その頭上にも緑のマーカーがあるのだ。

 つまり召喚モンスターであることを意味する。


 彼はサモナーだ。


 本サービス開始以降、少しずつだが新規プレイヤーが増やされているとは聞いていた。

 後追いで同業者が現れたのをこの目で見る事になるとは思わなかったな。


 そのサモナー君は急ぎ足で町の外へと向かっていってしまった。

 同行者はいない。

 ただフクロウとは視線が合っていたようである。

 主にオレとではなく、オレの肩に止まっているヘリックスとであったのだが。



 冒険者ギルドは比較的混んでいたが、すぐにギルド長の部屋に案内された。

 掲示板の依頼票を張り替えていた職員さんが見慣れた年配の女性職員さんだったのだ。

 部屋に通されるとギルド長が机に向かって何か書いているようだった。

 そのギルド長の斜め後ろに中年の職員さんが直立不動の姿勢で控えている。

 但しその手に結構立派な槍がある。

 ここ、部屋の中ですよね?


 机の上には何やら巻物が積まれているようだが。

 別の男性職員さんがその巻物の内容を確認しながら整理しているみたいだ。



「おお!キース、朝早くからよう来たの」


「はい」


 その表情が引きつっているのは何だろうか。

 笑顔も何かわざとらしい。


「昨日はすまなかったな。少々揉め事があってのう」


「そうらしいですね」


「うむ。で、今日からなのじゃがちょっと違った依頼になるんじゃが良いかな?」


「はい」


 そう言うと巻物を片付けていた職員さんに目配せをする。


「彼に付いていってくれ。依頼内容は彼から説明させよう」


「分かりました」


 なんか忙しそうな雰囲気だし、その場をそのまま退散した。

 様子がおかしい事にはあえてスルーだ。

 そして中年の職員さんだが、その表情は能面のようで結局顔も姿勢も一貫して微動もしなかった。



 やはり気になる。

 案内してくれている職員さんに聞いてみた。


「あの、部屋の中で武装警護って何かあったんですか?」


「ああ、気にしないで下さい。ただの逃亡防止策ですから」


 逃亡って何?


「逃亡?」


「前科があるんですよ。幻影を残して町に買い食いに行ってたとか」


「はあ」


 大丈夫か?ここの冒険者ギルド。

 ギルド長は魔法を無駄に使って買い食いとか何してるんですか?

 それに周囲の職員さん怖い。

 逆らうのはよそう。



 案内された先は練兵場の一角だった。

 黄色マーカー持ちである町の守衛が待機しているのも見えた。

 ここで何を?とも思ったが、彼らは関係なさそうだ。

 一番奥に緑マーカーが四つある。

 但し人影は二つ。

 足元で寝そべっているように見えるのは明らかに猛獣であるトラだ。


 人影の片方なんだが、何かが背中に生えているように見える。

 近寄ってみるとヘビの鎌首だった。

 しかも結構大きい。


 トラにもヘビにも緑のマーカーが頭上に付いている。

 つまり召喚モンスターだ。

 この二人もサモナーって事か。



「依頼内容は彼らの教導となります。期日は問いません。一通り冒険に出られるようにして下さい」


 はあ?

 師匠に教えを乞うている立場なのがオレなんですけど。

 まさか。


「あの。もしかして師匠がいないから私にって事なんですか?」


「はい。こういった依頼はオレニューさんに割り振るんですけど不在ですから」



《ギルド指名依頼が入りました。依頼を受けますか?》



 うう、今までで一番即答し難い依頼だ。

 どうしようか。

 でもオレ自身、序盤で色々と困った事態に遭遇した事を思い返す。

 これも受け入れるとしようか。


「受けます」



《ギルド指名依頼を受けました!》



 あれ?

 クリア条件がコールされませんでしたが?

 こういう場合はどうなるのだろう。



「では後はお願いします」


 職員さんはそのままオレ達の元を立ち去ると守衛達の方へと行ってしまった。

 もうお任せなのか。


 二人並んでいるサモナーをざっと見る。

 あえて【識別】を使わないように話しかけた。


「まずは自己紹介だな。私はキース。見ての通りサモナーだ」


「私はアデルです。そしてこの子はみーちゃんです」


 アデルと名乗ったサモナーはミオよりも小さい女の子だ。

 そしてトラの名前がみーちゃんか。

 トラは見方によっては三毛猫に見えなくもないが、そのネーミングは子供っぽいぞ。

 でも妙に似合ってもいる。

 彼女の顔つきは幼いし男の子のようにも見えるし。


「あ、私はイリーナです。で、この子はトグロって言います」


 イリーナと名乗るサモナーはアデルよりは多少大きいようだが小さい女の子であることに変わりはない。

 そしてヘビの名前がトグロ。

 どう評価して良いものやら。

 こっちは市松人形のような女の子だ。

 着物を着ていないのが勿体無い外見にヘビの対比が妙に様になっている。


「まあ積もる話は場所を変えてからにしよう。朝飯はもう済ませているか?」


「「はい」」


 ハモって答える様も初々しいな。

 でもオレだってこのゲームをβ版からやり込んでいる訳でもない。

 教えられる事なんてあるのかね?



 冒険者ギルドの馬留めに待たせてある残月とヘリックスに合流する。

 ああ、紹介しておかないとな。


「じゃあ紹介しておこうか。私の召喚モンスターだ。馬が残月、鷹がヘリックスだ」


「よろしく!」


「よろしくお願いしますね」


 二人とも律儀に召喚モンスターに挨拶している。

 明るい雰囲気のアデルに落ち着いた雰囲気のイリーナだが、社交的で積極的な所は共通しているようだ。


「二人とも【鑑定】と【識別】はあるかな?」


「あ、【鑑定】はありますけど【識別】はないです」


「私もです」


「まだボーナスポイントは余ってるかな?」


「はい」


「手をつけてませんから大丈夫です」


「ならば取得してすぐ有効化してみること。その上で残月とヘリックスを【識別】してみて」


「「はい」」


 ふむ。

 結構素直にこっちの言う事に従うんだな。

 素直なのは良い事ではある。

 だが鵜呑みにして自分で考えなくなるのは良い事ではない。

 師匠も似たような事を考えたんだろうか。

 でも【識別】と【鑑定】は大抵のプレイヤーが持ってるような気がする。

 ソロを覚悟して進めてたからあまり気にしてなかったんだけどね。


「ではアデルからだ。馬の残月のレベルは見えたかな?」


「はい。ホースでレベル3です!」


「ではイリーナだ。鷹のヘリックスはどうかな?」


「ホークでレベル3になってます」


「うん、結構だ。では私はどうかな?」


「「キースさんはレベル3のサモナーです」」


 正解。

 少し笑顔を見せてやろう。


「よし。他のプレイヤーには【識別】や【鑑定】は無礼にならない範囲で使おう、な」


「「はい」」


「そして魔物やドロップ品には積極的に使う事だね。色々と役に立つよ」


「「はい」」


 敢えて教えていない事もある。

 様々な魔物を【識別】する事で召喚できるモンスターが増えていく事になる。

 そしてオレの召喚モンスターである残月とヘリックスを【識別】した事で彼女達に選択肢が増えている筈だ。

 果たして気が付くかどうか。

 多分、気付くだろう。

 だってこのオレだって気が付いたのだし。


 お返しではないが、オレも【識別】を働かせる。



 アデル Lv.1

 サモナー 待機中


 タイガー/みーちゃん Lv.1

 召喚モンスター 待機中


 イリーナ Lv.1

 サモナー 待機中


 バイパー/トグロ Lv.1

 召喚モンスター 待機中



 ふむ。

 これでオレの召喚モンスター候補も増えた筈だ。

 師匠の召喚モンスターと表示が違っているが、師匠はいちいち固有名を付けてなかったからな。

 そういえば師匠とオレは同じパーティに入った事はなかった筈だ。

 でも擬似的にパーティみたいな関係だったような。

 NPC相手だと仕様が違うのかもしれないが、恐らくは『ユニオン』と同じ状況だと思う。


 悩んでいるのはそこだ。

 同じパーティ内であれば互いに支援するのに最も都合がいい。

 フィーナさん達やフェイとの雑談で何度か話に出た事があるから覚えていた。

 そしてオレが同時に召喚できるモンスター数は2、彼女達と同じパーティを組んだら7となってパーティ上限超えとなる。

 マズイよな。


「そういえば二人に聞きたいんだが、何でサモナーを選んだのかな?」


「あ、それはですね」


 アデルのマシンガントークが炸裂した。

 オレの方から合間に言葉を差し挟む隙間もなかった。

 オレなりに要約してみるとこんな感じになるのか?


 ・二人ともソロプレイ志望。

 ・でも序盤は二人で組んで冒険をするつもり。

 ・二人は現実では友人。

 ・この手のゲームは他でやったことはあるが、やり込んではいない。

 ・最初からネコが当たってラッキー。

 ・サモナー引き当てるのに作成し直しを丸一日かけた。

 ・目指せモフモフ帝国。


 聞き取りに間違いはなかったと思う。

 何か奇妙な事を聞いたような気がするが気にしたら負けな気がする。


「アデルちゃん、そろそろストップ」


「おっと」


 イリーナがアデルの話を止めるとオレに視線を投げる。

 立ち話だけじゃ状況は進まないからな。


「じゃあ互いに確認からだな」


「「はい!」」


 先に色々と確かめておかないといけない。



 まずはパーティ編成だ。

 結局、アデルとイリーナがパーティを組んで、オレは『ユニオン』状態を保持したまま同行する事にした。

 無論、協力して魔物を倒した際のデメリットは彼女達も承知である。

 基本、彼女達は一人頭で換算するとオレの75%の経験しか入らない計算になる。

 4人パーティと3人パーティで経験値が2分割になるからだ。

 まあ活躍次第で変動するようなのだけど、その辺りは無視しておく。

 その分、彼女達には剥ぎ取ったアイテムで少し優遇する事にした。

 大きな理由は彼女達のメインウェポンにある。

 両者ともロッドはサブウェポンにして弓をメインにしたいというのだ。


 うん、間違っていないと思う。

 むしろ間違っているのはオレの方だろう。スキルの取り方も然りだ。


 話を戻そう。

 レムト周辺、そして西の森では弓矢使いに有利なアイテムが入手し易い。

 平原ではホーンラビットにステップホーク、森では暴れギンケイ(メス)にハンターバットにイビルアントがいる。

 現在、レムト周辺の平原では野犬狩りが横行していてウサギの方は人気がない筈である。

 状況的にも好都合だ。


 そして魔法についても確認である。

 当然だが二人共召喚魔法は持っている訳で、各々がランダムボーナス初期取得スキルとして属性魔法を持っていた。

 アデルは火魔法、イリーナが土魔法だ。


 そこはそれ、習うより慣れろ、で行こう。

 それに受け売りではあるが、師匠のアドバイスも加えてやったらいいか。

 オレから言った点は2つだ。


 ・光魔法か闇魔法は取得しておいた方がいい。

 ・小銭が稼げる生産系スキルが何かあった方がいい。


 これだけだ。

 あとは彼女達の意思に任せる。

 自分達で考えて判断することが重要だ。


「夜の戦いはどんな様子になりますか?」


 アデルからそういう質問があったので答えてやる。

 判断に悩むのならその材料を求める。

 健全な判断だろう。

 これなら一緒に魔物と戦っていたらなんとかなる。

 そう信じることにした。



 レムトの町で彼女達がNPC売りの短弓に青銅の矢と初心者の矢を買い込み、携帯食と水を補給する。

 ポーションを購入しようとしたが、それは止めておいた。

 詳細は話さなかったが、一応オレにだって回復呪文もあるし、ポーションだって十分ある。

 使っても補充できるよう傷塞草も何本か背負い袋に入れてあった。


 彼女達も多少は手元に金が余っていたとは思うのだが、防具の新調には手を出さなかった。

 まあ彼女達なりに考えがあるのだろう。


「じゃあ手始めにウサギから狩ってみるか」


「「はい!」」


 個人的にはタイガーとバイパーの戦い振りに興味がある。

 草原で新たなサモナーのデビューに立ち会う事にしよう。



 最初の獲物は当然ながらホーンラビットだった。

 ワイルドドッグの姿はみかけるが、大抵は他のパーティがロックオンして追いかけている有様だ。

 まあ順当な相手だろう。


 そして彼女達の戦い振りなんだが。

 最初に倒した獲物の様子がかなり凄惨な事になっていた。

 矢が突き刺さった所にバイパーが下半身に絡みつきながら噛み付いており、タイガーが喉笛を食い破っている。

 明らかにオーバーキルだ。

 最初にウサギからアイテムを剥いだのはイリーナだった。

 野兎の角は彼女に任せて肉は残月に装備させてある《アイテム・ボックス》に預かっておく。

 うん、ウサギ一匹相手では全く問題はないな。


 西の森へと向かいながら狩りをやらせていく。

 ウサギは問題ないがステップホークが怖い相手になる。

 後ろから襲撃されたら一撃死もあり得るからだ。

 上空でヘリックスを巡回させてあるから大きな心配はしてないが、念のためだ。

 そしてオレはといえば、彼女達の周囲を残月で巡回していた。

 警戒するにしてもその程度しかできないよね。


 彼女達はウサギを次々と狩って行く。

 オレはステップホークだけを排除する形で狩って行く。

 時々、黒曜石も見付けては拾っていく。

 いかん、どうにも迂遠だな。

 難易度としては草原は楽でいいんだが、成長を促す意味で楽なのは宜しくない。

 それに彼女達は徒歩であるためにどうしても移動速度に差があるのだ。

 早々に森で狩りをやらせたいんだが。


「残月、済まないが少し辛抱してくれよ」


 残月にアデルとイリーナを乗っけて先を急ぐことにした。

 無論、セクハラになるような真似はしない。

 そして蛇のトグロも馬上に乗せている。

 さすがにこれだけ乗ると残月の移動速度は落ちた。

 だがその分、虎のみーちゃんが随行する速度といい感じで拮抗するようだ。



 見張り櫓を過ぎて森の領域に踏み込んだ。

 一旦、レギアスの村まで行ってから森へと踏み込もうかと思った矢先に出会ってしまった。


 はぐれ馬に。


 これを逃す手はない。


「二人とも降りて!」


 二人とトグロを残月から降ろすとすぐに駆けさせていく。

 ヘリックスを牽制にはぐれ馬の頭を目掛けて先制させる。

 その間に足止め用のウィンド・カッターの呪文を選択して実行、残月を駆ってはぐれ馬に迫る。

 逃がさず、出来れば転がしたまま戦いたい。

 彼女達の弓矢は有効だろうが、はぐれ馬はタフだ。


 召喚モンスターの助力があれば、あるいは。


 はぐれ馬と残月は互いに前脚を跳ね上げて相手に一撃を与えようとする。

 なかなか上手くいかない。

 だが横合いからヘリックスがはぐれ馬の目に一撃を加えるべく急降下攻撃を仕掛けた。

 はぐれ馬はその攻撃を避けはしたが、オレに大きな馬体を隙だらけのまま晒している。


「ウィンド・カッター!」


 ウィンド・カッターを前脚目掛けて放つ。

 同時にカヤのロッドで目を狙って突く。

 両方とも直撃した。

 残月が体当たりを敢行するとそのまま転倒する。

 その馬体に矢が連続して突き刺さっているのも見えた。


 残月が前脚で踏み付ける。

 はぐれ馬の首元にはいつのまにかトグロが絡み付いていた。

 気道のあるあたりを噛み付いているようだ。

 エグい攻撃だ。

 そしてみーちゃんの攻撃もまた喉元に加えられた。

 だからエグいって。


 残月もそのエグい攻撃を支援するように前脚に体重をかけていく。

 オレもロッドの先端ではぐれ馬の頭を上から押さえ込む。

 ヘリックスは横倒しになっている馬の腹に舞い降りて、嘴の一撃を何度も繰り返し加えていった。

 いい連携です。

 でもはぐれ馬はなかなか終わってくれそうもない。

 やっぱ一気にダメージを与えるにはアレしかないか。


「フィジカルエンチャント・ファイア!」


 フィジカルエンチャント・ファイアを自分にかけて残月を降りる。

 まだ暴れ続けるはぐれ馬の首に膝を当てて押さえ込んで、口元を両手で抱えた。


「よいしょっと!」


 掛け声と共に体重を後ろに一気にかけてやる。

 首をその勢いのまま捻ってやった。

 荒ぶる息を撒き散らしてくるはぐれ馬の断末魔が聞こえた、ような気がした。

 はぐれ馬は首が奇妙な角度に曲がったままだ。

 HPバーは確かになくなっている。

 ありゃ。

 今の一撃で仕留めきったのか。

 もう少し時間がかかるかと思ったんだが。

 クリティカルでもあったのかもしれない。



《只今の戦闘勝利で【杖】がレベルアップしました!》

《【杖】武技のブレスを取得しました!》

《只今の戦闘勝利で【召喚魔法】がレベルアップしました!》

《共通対抗呪文のディスペル・マジックを取得しました!》

《共通呪文のエンチャンテッド・ウェポンを取得しました!》

《共通呪文のキーロックを取得しました!》

《共通対抗呪文のアンロックを取得しました!》

《【召喚魔法】呪文のコール・モンスターを取得しました!》

《只今の戦闘勝利で職業レベルがアップしました!》

《取得が可能な補助スキルに【水泳】が追加されます》



 なんか色々と取得してしまった。

 これらの共通呪文、共通対抗呪文はLv.5になったらどの魔法系統でも得られるものと思われる。

 大昔に聞いたような覚えがある響きの呪文があるから概ねどういった呪文なのかは想像がついた。

 取得できる補助スキルもまた増えてきている。

 だがここは自重しよう。

 【水泳】は取得しても西の森で泳げるのは師匠の家の近くにある池位しかない。


 個人的に一番気になったのはコール・モンスターの呪文だ。

 説明を開いてみると、周囲の魔物を呼び寄せる呪文だった。

 あれか。

 師匠がオレにスノーエイプをけしかけてたが、これを使っていたんだろう。


 そしてもう一匹、召喚できるモンスターが増えた事になる。

 ちょっと嬉しくてニヤニヤしてしまいそうだ。

 


「今の何ですか?」


「うん?」


「呪文は分かるんですが、今の攻撃はちょっと」


 アデルもイリーナもこういった戦い方は馴染みがないのかな?

 二人揃って呆れた顔をしている。

 自分では中々効果的だと思うのだが。


「変だったかな?」


「装備が何かおかしいと思いましたけど、サモナーは召喚モンスターに戦わせるのが普通だと思います」


「変です」


 うわ、不評だな。

 まあ反論はしない。

 好き勝手やってるだけなんだし。


「それはいいから。こいつから剥いでいいよ」


 イリーナがはぐれ馬から野生馬の皮を剥いで行く。

 さすがに大きくて重く、残月に装備させてある《アイテム・ボックス》に放り込む事にした。

 ん?

 彼女達は《アイテム・ボックス》がないんだよな。

 オレだって師匠からの借り物な訳で、自前のものは持っていない。

 フィーナさん達あたりに聞いてみようか。

 当然、全員持っていた方がいいだろう。


「よし。じゃあ先に進もうか」


 頷く二人を再び残月に乗せてレギアスの村へと向かう。

 彼女達にしてみたらかなり先に進んだことになるだろう。

 新たな狩場と拠点に案内する形で街道を進んでいった。

主人公 キース

種族 人間 男 種族Lv5

職業 サモナー(召喚術師)Lv4(↑1)

ボーナスポイント残17


セットスキル

杖Lv4(↑1)打撃Lv2 蹴りLv2 関節技Lv3 投げ技Lv3

回避Lv3 受けLv2 召喚魔法Lv5(↑1)

光魔法Lv2 風魔法Lv3 土魔法Lv2 水魔法Lv3

火魔法Lv1 闇魔法Lv1

錬金術Lv3 薬師Lv2 ガラス工Lv3

連携Lv4 鑑定Lv4 識別Lv4 耐寒Lv2 掴みLv3

馬術Lv3 精密操作Lv3 跳躍Lv1 耐暑Lv3


装備 カヤのロッド 野兎の胸当て+シリーズ 雪猿の腕カバー 

   野生馬のブーツ+ 雪猿の革兜 背負袋

   アイテムボックス×2


所持アイテム 剥ぎ取りナイフ


称号 老召喚術師の弟子(仮)、家畜の守護者


召喚モンスター

ヴォルフ ウルフLv4

残月 ホースLv3

ヘリックス ホークLv3

黒曜 フクロウLv3


同行者

アデル&みーちゃん

イリーナ&トグロ

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