カナダのトルドー首相が辞任する意向を表明しました。

【画像】低迷支持率にトランプ氏が追い打ち…カナダ・トルドー首相が辞任表明

カナダ・トルドー首相
「私は、党首そして首相を辞任します。カナダは、次の選挙で真の選択をすべきであり、党内で争いになるようなら、私は最善の選択肢になり得ない」

与野党から退陣論が噴出するなか、辞任に追い込まれる形となりました。

トルドー氏は、2015年、43歳の若さで首相に就任。リベラルな政策に加え、熱心に育児に取り組む姿でも、広く人気を集めてきました。しかし、最近、長引く物価高への反発など、さまざまな国内の要因が重なり、就任以来、最低の支持率となりました。

加えて、辞任の空気を加速させたのが、アメリカのトランプ次期大統領との関係です。トランプ氏一期目のころ、2人の関係は、良好なときもありました。

転機は、2019年のNATOサミット。トルドー首相が、数人の首脳とマクロン大統領の遅刻の理由について話す動画が流出します。

カナダ・トルドー首相(流出した動画)
「(トランプの)会見が約40分、続いたからでしょう?本当ですよ、40分。側近のあごが床に落ちるとこでしたよ」

トランプ氏が翌日、予定していた記者会見をキャンセルして帰国するなど、2人の間の雲行きが怪しくなるきっかけになったといわれています。

二期目が決まったトランプ氏は、カナダとメキシコに25%の関税を課すと明言。トルドー首相が、マー・ア・ラゴに会いに行ったものの、トランプ氏は「カナダはアメリカの51番目の州となるべきだ」と発言したといいます。

もはや避けられない“トランプ関税”への対応をめぐって、閣内で盟友のフリーランド副首相と意見が対立。先月16日に辞任したことが、トルドー首相の立場を追い込む、最後の一押しになったともいわれています。

辞任表明直後、トランプ氏は、早々にトルドー首相に追い打ちをかけました。

トランプ氏のSNS(6日)
「多くのカナダ人が51州目になることを大歓迎している。カナダがアメリカと合併すれば、関税もゼロになり、税金もグッと安くなる。一緒になれば、なんと偉大な国になれるだろうか」