自宅やオフィスで、暖房がききすぎていてむしろ暑い……。こんな経験がある人も少なくないでしょう。
今回は、暖房の設定温度を考えるときの目安と、設定温度が電気代に与える影響について、「All About」ガイドで、企業の製品開発のお手伝いやPR支援なども行うコヤマタカヒロが解説します。
(今回の質問)
親が暖房を25℃に設定していますが、正直暑いです……。基本的な目安は何℃くらいなのでしょうか? 電気代も結構違いますか?
(回答)
環境省が推奨しているウォームビズでは、暖房時の室温20℃を目安にした設定が推奨されています。20℃の場合と25℃の場合の電気代を比較すると、1シーズンで1万円以上の差が生まれる可能性もあります。
どういうことなのか、以下で詳しく解説します。
【表】エアコンは何年で買い替え? 家電の寿命一覧
さらに、暖房運転は冷房運転と比べて、消費電力が高くなってしまうといえます。これは外気温との差が大きくなるため。夏場の冷房運転は、最も暑い40℃の日でも28℃設定ならその差は12℃ですが、暖房運転は5℃の日に25℃に設定するだけでも温度差は20℃になってしまいます。
エアコンには期間消費電力量が記されています。これはJIS規格で定められており、暖房期間は11月8日〜4月16日の6:00〜24:00の18時間、暖房設定20℃で東京の外気温度をもとに算出されています。2024年度、あるメーカーの4.0kWエアコンの消費電力量は、暖房期間の合計で761kWhでした。つまり、この間の電気代は2万3591円となります(1kWh31円で計算)。
暖房時の消費電力は設定温度1℃下げるごとに10%下がると言われています。これをもとに逆算すると暖房の設定温度を25℃にする場合、単純計算で消費電力は約60%アップして、1217kWhになります。するとこの間の電気代は3万7727円となります。
この電気代はあくまで公表データからの算出に過ぎず、実際にはさまざまな省エネ機能が働くため、もう少し下がる可能性があります。とはいえ、暑いと感じる温度設定は無駄でしかありません。ご両親にはもう一枚、上着を羽織ってもらって設定温度を下げるのがおすすめです。ほかにも、環境省ではウォームビズのポイントとして衣食住それぞれでのひと工夫を紹介しています。しっかり加湿したり、窓やドアなどの断熱を行うなど、部屋の温度が下がらないような取り組みをあわせて行いましょう。
この記事の筆者:コヤマ タカヒロ
1973年生まれ。家電とデジタルガジェットをメインに雑誌やWebなど様々な媒体で執筆するライター。執筆以外に監修やコンサルティングなども行っており、企業の製品開発、人材教育、PR戦略に関するアドバイザーなども務める。米・食味鑑定士の資格を所有。家電のテストと撮影のための家電スタジオ「コヤマキッチン」を用意。
(文:コヤマ タカヒロ)
今回は、暖房の設定温度を考えるときの目安と、設定温度が電気代に与える影響について、「All About」ガイドで、企業の製品開発のお手伝いやPR支援なども行うコヤマタカヒロが解説します。
(今回の質問)
親が暖房を25℃に設定していますが、正直暑いです……。基本的な目安は何℃くらいなのでしょうか? 電気代も結構違いますか?
(回答)
環境省が推奨しているウォームビズでは、暖房時の室温20℃を目安にした設定が推奨されています。20℃の場合と25℃の場合の電気代を比較すると、1シーズンで1万円以上の差が生まれる可能性もあります。
どういうことなのか、以下で詳しく解説します。
【表】エアコンは何年で買い替え? 家電の寿命一覧
ウォームビズでは室温20℃を推奨しています
環境省では2005年(平成17年)より、室温20℃を推奨する「ウォームビズ」を推進しています。冬場に暖房を強くして薄着で過ごすのではなく、20℃に設定して1枚多く服を着るなどの工夫をして温かく過ごすライフスタイルです。さらに、暖房運転は冷房運転と比べて、消費電力が高くなってしまうといえます。これは外気温との差が大きくなるため。夏場の冷房運転は、最も暑い40℃の日でも28℃設定ならその差は12℃ですが、暖房運転は5℃の日に25℃に設定するだけでも温度差は20℃になってしまいます。
電気代の差はどれくらい?
では、25℃の場合と20℃の場合でどの程度電気代が異なるのでしょうか。エアコンには期間消費電力量が記されています。これはJIS規格で定められており、暖房期間は11月8日〜4月16日の6:00〜24:00の18時間、暖房設定20℃で東京の外気温度をもとに算出されています。2024年度、あるメーカーの4.0kWエアコンの消費電力量は、暖房期間の合計で761kWhでした。つまり、この間の電気代は2万3591円となります(1kWh31円で計算)。
暖房時の消費電力は設定温度1℃下げるごとに10%下がると言われています。これをもとに逆算すると暖房の設定温度を25℃にする場合、単純計算で消費電力は約60%アップして、1217kWhになります。するとこの間の電気代は3万7727円となります。
この電気代はあくまで公表データからの算出に過ぎず、実際にはさまざまな省エネ機能が働くため、もう少し下がる可能性があります。とはいえ、暑いと感じる温度設定は無駄でしかありません。ご両親にはもう一枚、上着を羽織ってもらって設定温度を下げるのがおすすめです。ほかにも、環境省ではウォームビズのポイントとして衣食住それぞれでのひと工夫を紹介しています。しっかり加湿したり、窓やドアなどの断熱を行うなど、部屋の温度が下がらないような取り組みをあわせて行いましょう。
この記事の筆者:コヤマ タカヒロ
1973年生まれ。家電とデジタルガジェットをメインに雑誌やWebなど様々な媒体で執筆するライター。執筆以外に監修やコンサルティングなども行っており、企業の製品開発、人材教育、PR戦略に関するアドバイザーなども務める。米・食味鑑定士の資格を所有。家電のテストと撮影のための家電スタジオ「コヤマキッチン」を用意。
(文:コヤマ タカヒロ)
外部リンクAll About