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ジェイテクト・豊田合成は営業・事業益上方修正、トヨタグループ通期予想の全容

トヨタ自動車グループの主要部品メーカー7社の2025年3月期連結業績予想は、ジェイテクト豊田合成の2社が営業・事業利益を上方修正した。自動車の生産台数減少の影響はあるものの、固定費削減や為替の円安効果によって収益を確保する。売上高はデンソーなど3社が円安の進行を踏まえて上方修正した。各社は減産影響が大きい地域で合理化活動を推進し、長期の販売不振に対応する。

ジェイテクトは減産影響に合わせた固定費抑制やインフレ影響の客先への転嫁などが奏功し、売上高と事業利益を上方修正。一方で税引き前利益以下は、欧州軸受事業の再編の費用を見込み下方修正した。豊田合成も為替効果のほか固定費抑制の効果を見込む。

豊田自動織機は売上高と営業利益を据え置いたが、受取配当金の増加により税引き前利益以下を上方修正した。

自動車の販売不振が響く中国市場について、アイシンの近藤大介執行役員は「価格競争が続く。顧客を絞って量より質を重視していく」と話す。豊田合成は拠点の統廃合や人員適正化といった構造改革を検討する。

デンソーは短期的に車両販売の回復が見込めない中国や欧州で固定費の削減を推進している。松井靖副社長は「直接人員の採用を控えたり拠点の統廃合を行ったりしている」と説明。トヨタ紡織の岩森俊一取締役執行役員は「タイの景気減速による減産が顕著になってきている。生産の構えもしっかり考えたい」とする。

24年4―12月期連結決算は顧客の減産により豊田自動織機を除く6社が減収。営業・事業利益は5社が減益だった。デンソーは減収となったが、為替差益や合理化努力で営業利益は過去最高を更新した。

日刊工業新聞 2025年02月03日

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