狼なんか怖くなかったりやっぱり怖かったり「プーヤン」ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(3/3 ページ)

» 2011年04月04日 14時08分 公開
[ゲイムマン,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

豚もおだてりゃ木に何か出す

 「プーヤン」がファミコンに移植されたのは、裏技ブーム全盛期の1985年(発売日は9月20日で、「スーパーマリオブラザーズ」の1週間後だった)。そのためか「プーヤン」のマニュアルには、「ウラワザがいっぱい」というタイトルで、3つの技が紹介されている。

 1つ目は、前にも述べたが、風船を撃つたびに狼の上昇スピードが遅くなるというもの。2つ目は、投げた肉が、狼の持っていない風船に当たると跳ね返るというもの。意図せずにこれが起こって、肉が狼に当たらないと厄介だが、逆にわざと跳ね返して、肉をより多くの狼に当てるという技が紹介されていた。

 3つ目は、本来風船に当てるべき矢を、わざと狼に当てるというもの。その狼は盾を出して矢を弾くので、倒すことはできないが、弾かれた矢が真下に飛んでいくため、そこに別の狼がいたら、持っている風船を直撃する。このことを利用して、縦一列に並ぶ狼を倒すことができるのだ。

 もっとも、これらは“ウラワザ”というより“テクニック”。そもそもマニュアルに堂々と書かれている時点で、“ウラワザ”とは呼びがたい。実は「プーヤン」には、本当の意味での“ウラワザ”といえる、多くの隠れキャラが存在するのだ。

この写真の場面では、狼と関係のない風船に肉が当たったせいで、左端の狼を倒せなかった
狼が盾を持っているようには見えないのだが、マニュアルにはそう書かれている

 「プーヤン」の隠れキャラはいずれも、出すためには高度な技術が必要で、挑戦しがいがあるものばかり。まず、下から2番目のハシゴの横で、矢を12発カラ撃ちすると現れるキノコ。撃つと8000点入り、しかもゴンドラがスピードアップする。最初のステージで出すことができるが、位置合わせが難しい。

 お次は鳥。BGMのリズムに合わせて攻撃していると現れる。撃つと40000点ももらえる。さらに、肉の飛び方が変わり、何かに当たって跳ね返ったかのように行ったり来たりする。もっとも、いちばん遠くの列にいる狼を、肉で倒せなくなるのはツラい。ボーナスステージでパーフェクトが取れなくなるし。

 ゴンドラをまったく止まらずに1往復させると、葉っぱが現れる。撃つと4000点入る。

キノコはステージ1開始直後がもっとも出しやすい
出し方さえ知っていれば、鳥は非常に出しやすい隠れキャラ。しかも高得点
ただし鳥を撃つと、肉の軌道が変なことになってしまうのには正直困った

豚に新機種

 さらには、狼の投げる石をゴンドラの屋根に3回当てて、跳ね返った石を3回とも撃つと現れるチョウチョ(高得点のフルーツが早く出てくる)。矢を二十数発連続して風船か石に当てると現れる虫(肉がどんどん出てくる)。偶数ステージで、3つある風船発射口のうち、左端から発射される風船だけを撃つと現れるゴキブリ(ママの残り人数が5匹増える)。

 これだけ多くの隠れキャラが出てくるにもかかわらず、この記事に載っている写真がキノコと鳥と葉っぱだけというのは、……はい、もちろん、わたしがほかの隠れキャラを出すことができなかったからです。すみません。

 フルーツも、イチゴ、リンゴ、梨(ミカンかも)までは出せたが、実はその後さらに、水滴、パイナップル、メロン、ファミコンと変化し、最後はプログラマーの中本さんになるらしい。「プーヤン」と同じ1985年の、年末に発売された「ボンバーマン」にも、ファミコンと中本さんは登場する。ただ「プーヤン」のファミコンと中本さんは、「ボンバーマン」ほど高得点ではない、らしい。

葉っぱは意外と出しづらい。拡張端子にコントローラーをつなげば、もっと出しやすくなるらしい
ボーナスステージを利用して出したフルーツ。こうして静止画で見ると梨に見えるけどなあ

 「プーヤン」はさまざまなゲーム機に移植されていて、今日でも入手は難しくない。特にファミコン版は、Wiiのバーチャルコンソールでリリースされており、ダウンロード購入できる。

 アーケード版をもとにした近年の移植としては、アーケードとプレイステーションで登場した「コナミ'80sアーケードギャラリー」、ハムスターから発売されたプレイステーション2版(「オレたちゲーセン族」シリーズ)、ニンテンドーDSの「コナミ アーケード コレクション」がある。

 また、PSPの「メタルギアソリッド ピースウォーカー」には、「プーヤン」をモチーフにしたミッションがある。メタルギアソリッドのリアルなグラフィックで「プーヤン」が再現されると、同じようなシチュエーションでも、やっぱり受ける印象は変わるなあと思った。

最後に

 今回の記事を書くにあたり、当初別のゲームを取り上げる予定でしたが、震災の影響で今回行こうとしていた場所に行けず、内容を変更しました。

 わたしは、今回の震災で津波の被害を受けた町の多くに、行ったことがあります。見たことのある景色、歩いたことのある道路が、津波に飲まれる映像をテレビで見て、とても信じられませんでした。

 今のところはまだ、日本赤十字社にわずかばかりの義援金を送ることしかできないのがもどかしいです。いつか被災地が復興して、また気軽に訪れることのできる町に戻ることを祈っております。今は思っていることをあまりうまく整理して書くことができませんが、心から願ってやみません。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2501/09/news023.jpg 「大根は全部冷凍してください」 “多くの人が知らない”画期的な保存方法に「これから躊躇なく買えます」「これで腐らせずに済む」
  2. /nl/articles/2501/09/news086.jpg マクドナルド、次回ハッピーセットのコラボを“チラ見せ★”するも…… 分かりやすい正体に「きっとひっかけ問題」「めっちゃ嬉しい」
  3. /nl/articles/2501/09/news094.jpg 平野紫耀、イベントで持っていた“37万円のカバン”が爆速で完売 「経済まわしすぎ」「ファンすごい」の声
  4. /nl/articles/2501/06/news043.jpg 「こんなおばあちゃん憧れ」 80代女性が1週間分の晩ご飯を作り置き “まねしたくなるレシピ”に感嘆「同じものを繰り返していたので助かる」
  5. /nl/articles/2501/09/news103.jpg 浜崎あゆみの「9人のそっくりさん」が全国から大集合 “本人公認あゆ”、“11歳のあゆ”、“会社員あゆ”など
  6. /nl/articles/2501/09/news036.jpg 「虫の本送ったよ」 LINEしてきた母、荷物を開けると…… 愛がつまった“4万円の本”の正体に「そのノリで送っていい本じゃねぇぞ」
  7. /nl/articles/2501/09/news042.jpg ←デート初日の夫 現在の夫→ 2400万再生突破の大変貌に「同じ男性だなんて信じられない」【海外】
  8. /nl/articles/2501/09/news071.jpg 「誠に勝手ながら……」 → 勝手にもほどがある「休業のお知らせ」が1030万表示 「実質閉店」
  9. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. /nl/articles/2501/09/news044.jpg 「小さいころはこれだった」 会社の大掃除で見つかった“まさかの絶滅危惧種”が170万表示「まだ生き残りが」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ryuchellさん姉、母が亡くなったと報告 2024年春に病気発覚 「ママの向かった場所には世界一会いたかった人がいる」
  2. ハードオフに1650円で売られていた“まさかの掘り出し物”→修理すると…… 見事な復活劇に「相場が上がってしまうw」
  3. 巨大深海魚のぶっとい毒針に刺され5時間後、体がとんでもないことに……衝撃の経過報告に大反響 2024年に読まれた生き物記事トップ5
  4. 北海道の用水路で“巨大な外来魚”を捕獲→さばいてみると…… 中から出てきた“ヤバすぎる物体”に大興奮「ずっと釘付け」
  5. 【ハードオフ】2750円のジャンク品を持ち帰ったら…… まさかの展開に驚がく「これがジャンクの醍醐味のひとつ」
  6. 「脳がバグる」 ←昼間の夫婦の姿 夜の夫婦の姿→ あまりの激変ぶりと騙される姿に「三度見くらいした……」「まさか」
  7. 幼稚園の「名札」を社会人が大量購入→その理由は……斜め上のキュートな活用術に大反響 2024年に読まれた面白記事トップ5
  8. 米津玄師、紅白で“205万円衣装”着用? 星野源“1270万円ネックレス”も話題…… 「凄いお値段」「びっくりした」
  9. 【今日の難読漢字】「手水」←何と読む?
  10. サバの腹に「アニサキス発見ライト」を当てたら……? 衝撃の結果に「ゾワっとした」「泣きそう」と悲鳴 その後の展開を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  3. 東京美容外科、“不適切投稿”した院長の「解任」を発表 「組織体制の強化に努めてまいる所存」
  4. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  5. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  6. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  7. 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  8. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  9. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  10. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」