もう2019年だから「恋愛やデートで男性にリードされたい」と言いづらい。でも本心はリードされたいジレンマ問題について(1/2 ページ)
男性だってリードされたいのでは説。
「恋愛についてなんか書いてみませんか?」とねとらぼの人に頼まれた。より正確に言えば、恋愛を含む男女間のモヤッとしたもろもろについて書きませんか、という話である。
自慢ではないが、おれはほとんど女性と付き合った経験がない。ゼロではないが、最後にちゃんと「付き合った」と言える人間がいたのは、もうかれこれ10年ほど昔のこと。あの時生まれた子どもが、今や立派な小学生なのである。その間、おれに浮いた話はほとんどなく、多少のさざ波めいたものが立つことはあったものの基本的には常に凪。ベッタベタの凪である。ボヤッと一人でオモチャを買い、プラモデルを作って過ごしてきた。
しかもインターネットで恋愛は大人気コンテンツである。考えてみれば衣食住と同等くらいに一般的な話題なんだから、人気があるのは当たり前だ。おれが普段メインフィールドにしているプラモだフィギュアだオモチャだという話題(おれは一応、普段はそういう分野でライターめいた仕事をしているのである)とは、相手にしている人口が違う。ネットには恋愛コラムニストがサメのように泳ぎ回り、悩み相談をしたり持論を書いたりして暴れまわっている。レッドオーシャン以外の何物でもない。
恋愛経験ほぼゼロの人間がそこに突撃して何か書くというのは、なかなか無法なことである。なんせおれは恋愛に関して、決定的に実戦経験が不足している。「通信空手だけで練習して、UFCで優勝してください!」と言われているに等しい。しかし、例え通信空手だとしても、ひょっとしたらラッキーパンチが入るかもしれない。ということで、引き受けるだけ引き受けてしまったのだった。
永遠の謎、男女どっちがリードするのがいいのか問題
で、今回のお題は「男女間でどっちがリードするのか問題」である。リード……リードか……。これまた自慢ではないが、おれはリードやエスコートの類をまともにこなせたことがない。一応まあ、予定を組み立てて相手とすり合わせ、現地で落ち合う……くらいのことはできる。しかし、現場での不慮の事故や細かい部分の詰め不足、途中でどうしてもオモチャ屋に寄りたくなって脱線する、つい酒を飲みすぎるなどなど、当初の段取り通りにいったことはほとんどない。さらに長期的な関係をリードするということになると、これはもうほぼ未知の領域、どうやったらいいのかなんもわからん作業である。
聞くところによると、この「どっちがどう関係をリードするのがいいのか」という問題、女性でもそれなりに悩んでいる人が多いそうである。いろいろ問題はあるものの、現代は基本的に男女同権。かつては「妻は夫の三歩後ろを歩くものである」と言われ、女性は男性に引っ張られて行動すると相場が決まっていたかもしれないが、今そんなことを真顔で言ったら正気を疑われる。
しかし、「男=リードする側」「女=リードされる側」という枠組みが取っ払われた結果、「どっちがどうリードしてもいい」というなんでもありな状況になってしまった。
もう2019年、新元号だって発表されたのに、「女性はリードされるもの」と思っているのは実際どうかと思う。だがしかし、本音を言えばリードはされたい、されてみたい。でもそんなことを言ったら「もう2019年ですけど?」と言われそうだし、何より自分が納得できない。しかしリードはされたい……。そういう悩みがある女性はけっこういるのだ、とねとらぼの人が言っていた。
由々しき事態である。だがしかし、考えてもみてほしい。かつては男がリードするものと相場が決まっていたが、では実際問題、リードしたくて自発的に段取りを仕切りまくっていた男性がどれほどいたのだろうか。
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