ラッシュは2015年のフェアウェル・ツアーを振り返り、別れを告げる機会を与えられなかったことで「イギリスやヨーロッパのファンをがっかりさせてしまった」と述べている。
ラッシュはニール・パートの加入から40年の活動を経て2015年に35公演に及ぶ北米ツアーを行っている。その後、ドラマーのニール・パートは2020年に脳腫瘍のため67歳で亡くなっている。
ベーシストのゲディ・リーとギタリストのアレックス・ライフソンは『クラシック・ロック』誌の新たなインタヴューで当初ツアーはもっと多くの国を訪れたいと思っていたが、ニール・パートはツアーに出たがらなかったという。
「より多くの公演をやれるようにもっと公演を増やそうと懸命に勧めたんだけど、うまくいかなかったんだ」とゲディ・リーは最後のツアーとなった「R40ライヴ」ツアーについて語っている。
「イギリスやヨーロッパのファンをがっかりさせてしまったと感じているんだ。やらないのはよくないと思ったんだけど、ニール・パートは断固として30公演しかやらないということだったんだ」
ゲディ・リーは次のように続けている。「彼にとっては大きな妥協だったんだと思う。というのも、彼はもうライヴをやりたくないと思っていた。1公演もやりたくなかったんだ。彼の心境としては既に妥協していたんだ。『30公演はやる。それ以上はやらないでくれ』と彼は言っていたんだ」
「お客さんに説明する義務があると思ったんだ。書籍でニール・パートの死について詳しく書いたのはそれもある。どんなことになっていたのかを知ってほしかったんだ。一筋縄ではいかなかったんだよ」
ゲディ・リーは次のように続けている。「2015年の8月1日からニールが亡くなった2020年の1月7日まではラッシュの世界全体が複雑になることになった。いつもとは違う、複雑で、心を動かされる時期だった」
「ファンはすべてを僕らのバンドに投資してきてくれた。だから、何があったのか、好きだったバンドがなぜ終わったのか、ストレートな回答を提供すべきだと思ったんだ」
アレックス・ライフソンは最後のツアーの日程にどれだけ「がっかりしたか」を振り返っている。「ニール・パートは限られた公演数しかやらないことが条件で、UKとヨーロッパでの公演は不可能だった。あと数十公演あれば受け入れてもらえていたんじゃないかな」
「ニール・パートは公演を延長し、さらに数公演を追加することに前向きになっていた時期もあったと思う。けれど、足に痛みのある感染症を抱えていたんだ。ステージまで歩けないような時期もあった。ゴルフ・カートでステージに行っていたんだ。それで3時間いつもの激しさで演奏していたんだ」
アレックス・ライフソンは次のように締めくくっている。「あれは素晴らしかったよ。でも、最後のロサンゼルス公演までしかやらないと彼は決めていたんだ」
ラッシュが最後に行ったUK&ヨーロッパ・ツアーは2013年の『クロックワーク・エンジェルズ』ツアーとなっている。
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