くったりおすわり 芦雪犬ペンポーチ|#江戸わんこシリーズ③
みなさま、こんにちは。フェリシモ「ミュージアム部」、アートナビゲーターのなりちゃんです。今日は、仙厓犬・芳中犬につづくミュージアム部オリジナルグッズ「江戸わんこがくったりおすわり 芦雪犬ペンポーチ」についてご紹介します。
長沢芦雪《白象国牛図屏風》のくったりわんこ
日本近代美術のマスコット的存在、大人気の「芦雪わんこ」。このゆるキャラさながらの愛らしさ……。アートファンならずとも、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
ミュージアム部員も大好きなこの芦雪わんこを、このたび立体造形で360度再現しました!
くったり脱力した、愛らしいおすわりポーズ。だらりと伸びる悩ましい脚も3D再現しています。
ぺろっと出た舌や、つぶらなひとみはもちろん、原画では描かれていない小さな巻きしっぽまで、芦雪の他作品を参考にしながら再現しました。
いつでも一緒にいられる、ぬいぐるみペンポーチに
ミュージアム部では企画の際に「暮らしの中で楽しめること」を大切にしています。芦雪犬の魅力は、なんといっても説明不要なそのかわいさ。見ているこちらまで、ふんにゃり癒やしてくれる力がありますよね。そこで、仕事中や授業中にも愛でられるように、ペンポーチにすることにしました。
ペンだけなら、約5、6本を入れられる容量感。ペンケースとしてだけではなく、ポーチとしても使用OK。折りたたみコームや目薬、マスカラなどの小物もむっちりボディーが包み込みます。
あくまでペンポーチなので、学校や会社にもお供させてください。
デスクワークのかたわらで、お仕事を応援してくれているような、休憩に誘うような……かわいいまなざしを送ってくれます。
少し疲れたな……というときには、もちもちふかふかのむっちりおててと握手。こわばったからだの力もふっと抜けてしまうようなゆるさで、芦雪犬がいつもそばに寄り添ってくれます。
わんこの作者は「奇想の画家」と称される長沢芦雪
江戸中・後期に京都で活躍した長沢芦雪は、江戸画壇の大巨匠・円山応挙(1733-95)の千人を超える弟子の中でも異色の輝きを見せた人気絵師。師匠が観察と写実にもとづいて生み出した型を、ユニークで大胆奇抜な発想で破り発展させるかのような「奇想の画家」として現代に知られています。
伊藤若冲や曽我蕭白など、芦雪をふくむ現代の奇想ブームの火付け役は、なんといっても辻惟雄先生による大ベストセラー『奇想の系譜』。この伝説的名著によって、それまで「異端」とされていた画家たちが「主流の中の前衛」と位置づけられ、日本美術史の流れが刷新されました。
そんな芦雪の「奇想」とはどのようなものなのでしょうか。
芦雪が屏風絵に仕掛けた、わくわく驚きの鑑賞体験
さて、芦雪わんこが描かれる作品は屏風絵。6枚のパネル(=六扇)をひとつにつなぎあわせた「六曲屏風」です。さらにそれが、左隻と右隻のペアでひとつの作品になっているので、「六曲一双」と呼びます。
実は、この屏風をたたんだ状態から開いていく過程に、芦雪による鑑賞体験の楽しみが仕掛けられているんです。屏風は、本体を安定させるために、それぞれ真ん中の第三扇・第四扇から開いていきます。そこで、左隻にちょこんと登場するのが、このかわいいわんこ!
こちらに顔を向けているため、犬に目線が誘導されます。この時点では、右隻には白い空間が広がるのみ。そうして犬のかわいさに気を取られているうち、第一・二扇と第五・六扇も展開していきます。そうするとここで弛緩からの緊張! ぼんやりつかみどころのなかった背景が突如意味を持ち、はみ出しそうなほど大迫力の牛と象の姿が立ち現れます。全体像が見えて、大小・白黒といったダイナミックな対比構図にもう一度驚く……というシナリオです。
雄々しい牛や象がのそりと頭をもたげる緊張感に、ふわふわ愛らしい脱力犬を合わせる緩急の妙、写実描写とデフォルメの両立、絶妙な余白処理のバランス、四方に散らした動物の目線など、200年の時を越えてなお色褪せない絵としての魅力にもあふれています。
そこに加えて、屏風というメディアの空間演出力を効果的に活かし、見る人に気持ちのいい驚きをもたらす仕掛け。新しもの好きで飽きっぽい京都の町衆をもうならせる芦雪は、まさにエンターテイナーなのでした。
屏風からほぼ原寸大で飛び出した「芦雪わんこ」!
鑑賞体験においては作品のスケール感も大切な要素ですが、こちらの屏風絵は高さ155cm、横幅359cmと、かなりの大画面。画像データ上で測定してみたかぎりでは、左隻第四扇に描かれる犬のサイズは、約19~20㎝ほどのようです(※フェリシモ調べ)。
そこで、こちらの「芦雪犬ペンポーチ」もほぼ原寸大に仕上げました。右前脚から、だらりと伸びる左後脚までの横の長さは約19㎝です。
両手のひらの上にちょうどおさまるようなサイズ感。
作品の中に当てはめてみると、こんな感じです。ほぼ原寸大の「芦雪犬ペンポーチ」をお手もとに迎えていただけると、対比される黒牛の大きさや、芦雪の奇想が、臨場感をもって想像しやすくなるのではないでしょうか。
いつも一緒にいられるかわいいわんこを通じて、江戸美術のおもしろさに思いを馳せていただけたら幸いです。
※パブリックドメイン作品をもとに商品化しています。
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