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クラヴィスと悪夢――「死者の国」再訪/伊藤計劃『虐殺器官』読解

 死者の国とは悪夢であり、中盤以降のクラヴィスには心休まる存在でない ――そんな記事を以前書いた。
 本稿はその続編にして増補版であり、全編を通してのクラヴィスと「死者」の関係を取り上げるものだ。

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『虐殺器官』を通読して分かるのは、死者の国はあくまで全体の一エピソードということだ。そもそも「死者の国」とは、作品中盤までにのみ現れる言い回し」なのだから。

 注意深く読めば、「死者の国」は最初から夢と示されている。

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