デジタルイラストを依頼しなくなった話②~権利の話

AIでイラスト生成をするようになってからデジタルイラストを依頼しなくなった、という話をさせていただいております。

デジタルイラストを依頼しなくなった理由は大きく分けて以下の二つです。

  1. 欲しい絵を描ける人がいないから

  2. 権利関係のトラブルにうんざりしているから

前回は①として技量の話をさせていただきました。②として権利関係に関するお話をさせていただければと思います。

前回分はこちらからどうぞ。

注意事項

こちらに記載させていただいた内容は全て実体験であり、イラストレーター(絵師)への誹謗中傷・侮辱・イメージダウンを目的としたものではございません。

前回説明した通り個人発注者はその立場の弱さからアマチュアに頼まざるを得ない状況になることが非常に多いため、ここではあえてアマチュアとの取引において起きる事象についてのみ言及いたします。

プロのイラストレーターには当てはまらない部分が多い内容となっておりますが、予めご了承いただければと思います。

そもそもお前何者?

元々は、絵を買っていた側の人間です。

今は、AIでイラストを生成して楽しんでいる人間です。

この記事にAIで生成したイラストはのせませんが、AIを使っている人が書いた文章である、ということはおさえた上でお読みください。

※この記事の文章は全て手書きです。

こちらの注意書きは①にも書かせていただいたもののコピペですが、再掲させていただきます。

権利関係トラブルの経験について

自己紹介の際に反AIさんから誹謗中傷や侮辱を受けた話は簡単に触れさせていただきましたが、今回はその話ではなく。

実際に遭遇した権利関係のトラブルについて少し書かせていただきます。

※あくまでも「私が複数回遭遇したトラブル」についてであり、特定個人を傷つける目的ではございません。

他の方のnoteの方で同じような話があがっておりましたので、引用させていただきます。

引用元はこちらの記事でございます。

買った人のはずなのに、使えない絵がある

私が過去に発注したイラストのうち、何枚かは自由に絵を使えない状態になっています。
noteの方にも言及がありましたので、引用させていただきます。

「確かに絵を売りはしたが、それを自由に使っていいなんて言ってない」

著作権を売り渡し、著作人格権の非行使契約を結んでいても、彼らはそう口にする、そんな気がする。

経験ございます。現在、以下のような状態になっている発注物がございます。

  • 絵師側は依頼実績として勝手に使用しているが、買ったはずの私は絵師からイラストの使用を禁止されている

  • 著作人格権の非行使契約を結んだはずの案件が実績として勝手に公開されている

こちらに記載させていただいた発注物は全て依頼料として最初に提示された金額を全額払っています。キャンセルにした・私が未払いの状態ではございません。
(これはアマチュアあるあるなのですが、「著作権譲渡」や「著作人格権の非行使」に対する理解が浅いです。また、アマチュアの方の場合イラストの著作権はほとんど売ってもらえません。)

値札を自分でつけておいて、売った商品の権利を後から主張する相手との取引、面倒な事になる予感しかしない。

経験ございます。弁護士に何度か法律相談として案件を持ち込んでいますし、後出し条件に対して追加料金を払ってくださいと後出しで言われた経験は複数回ございます。

イラストレーターにとって、重要なのは実績です。
SNSにイラストレーターが自分のSNSアカウントからイラストを投稿することを許可しなければ、そもそも引き受けてもらえないことも多いです。

(プロの方は守秘義務違反のリスクをよくわかっていらっしゃいますので、SNSにイラストを投稿して実績~といったことは行っておられません。個人アカウントから何かしらの制作物が投稿されていたとしてもイラストレーター個人の拡散力を期待して発注元の企業が宣伝してほしいと頼んでいるケースがほとんどで、「公開できないものが多いので一切投稿しておりません」などと記載されていることが大多数でございます。
個人アカウントから投稿されていなかったとしてもスタッフロールなどに名前がのっていれば「この人が担当した」というのはわかりますので、世間に広く知られています。)

アマチュアは自分に依頼が来ることがあまり多くはありませんから、一度来た依頼の納品物は最大限自分の宣伝に活用しようとします。その結果、アマチュアの言及する実績公開目的でのイラストの使用範囲は一般的に商業で活動されている方による使用範囲を超えています。

名前のクレジットに飽き足らず、自分のイラストとして同人や個人創作イラストと同列に並べられたり、自分の宣伝タグの投稿に使用されたりなど。イラストレーターが自由にイラストを使ってもよい権利、と言っても差支えがないほどです。使用を拒否した場合そもそもそういった依頼を引き受けていなかったり、明らかに実力と釣り合わない金額を要求してきたりします。

(よくよく考えてみるとおかしな話ではあるのです。反AIで「学習禁止」と言いながら、依頼絵を勝手にAI学習に画像を使用することを明記されているプラットフォームに投稿して自分勝手に使っているのですから。
実際に絵を学習されたくない場合、依頼者側がかなりの高額、だいたい絵の価格に対して2~3倍くらいが相場?の追加料金を支払い「著作権譲渡はしなくてもいいのでAI学習防止のためイラストをネット上に投稿しないでください」とお願いする事態になっています。)

Skebは利用規約で自由に使用していいことになっているので問題はないのですが、①で触れさせていただいた通り私は必ずラフチェックをしておりましたのでSkebは通していません。事前に交渉していたにもかかわらず無断でこのような使用をされることが多かったのです。

反AIを依頼先候補から外したら、アナログ絵師以外依頼できる人がいなくなった

個人発注者はとても立場が弱いです。

個人からの依頼を受けてくれる人は少しでもお金が欲しい人か企業からの依頼が来ないアマチュアしかいません。

「反AIではないデジタルイラストを制作するイラストレーター」で絞り込んだとして、個人の依頼を受け付けてくれる人はほとんどいません。
(よくわからない人は検索をかけてみてくださいね。本当にいません。)

個人からの依頼を受けているような人はほとんどが反AIなのです。

かくして、反AIを依頼候補から外していったらアナログで作画できる人しか残りませんでした。

アナログで作画している人は「原画(現実に存在する作品)」というものがありますので、AIとは差別化できます。なので、AIに対してわりとフラットな視点を持っていることが多いのです。

今はひっそりとAIを楽しんでいます

私は「そもそも頼みたいものを描ける人がいない」「権利関係のトラブルにうんざりしている」という理由で「反AI」絵師を避けた結果、絵を発注できる人がいなくなりました。

AIでイラストを生成する場合、プロンプトさえしっかり入力できれ
ば見当違いな絵が出てくることはありません。
(昔はそうでもなかったのですが、最近はきちんと出るようになりました。)

権利関係もサービスごとに利用規約が定められていてクリアです。個人のイメージを形にする分であれば、これで十分です。

私の場合はデジタルイラストはAIで代用せざるを得なくなりました。

「スケジュールはあいてますよ!ご依頼受けますよ!だからAIなんか使わずに私に依頼してください!」といったメッセージをよくいただくのですが、たいていは前回記事で説明させていただいたような悲惨な結末を迎えるのです。技量が足りないばかりに頼まれたものを仕上げられず、キャンセルで時間だけ無駄にして終わりです。

私が必要としているイラストの指示書を見て、「描けます!」と胸を張って言えますか?
最後まで逃げずにやり遂げられますか?

かなりの人数に対して指示書を出していますが、ほとんどの人はできませんでした。誰も描けないからAIを使っているんです。
(依頼が欲しいのなら、AIが苦手としている「複数人の描写」や「意図やモチーフを落とし込んだ複雑なキャラデザイン」などに対応できるように、技量を上げるべきではないかと思っています。AIと住み分けができていて値段相応の技量があるのであれば、依頼します。)

最もわかりやすく住み分けができているのはアナログイラストです。

アナログイラストは現物があります。現物はAIでは代用できません。
AIとしっかり住み分けができますので、アナログで作画できる人に対してのご依頼だけは続けている状況に至っています。

長くなりましたが、私がAIでイラスト生成をはじめた説明は以上となります。

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