※本稿は、渋田隆之著『2万人の受験生親子を合格に導いたプロ講師の 後悔しない中学受験100』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
当日まで1カ月を切ったら…
「ここまできたら、さすがに受験をやめるなんて言わないだろう」という油断は、思わぬ落とし穴になります。入試まで1カ月を切ったら、子どものメンタルを安定させて、最後までやり切るように支えることに注力してください。
中学受験は、本来チャレンジしなくてもいい入試だということを忘れてはなりません。
公立中学に仲のいい友だちが行くから、不合格が怖いから、自信がなくなってきたから、など、断念する理由はいくらでもあります。実際、入試がはじまってからも、「もう明日は受けない」とパニックになってやめてしまう例だってあります。
この時期は、子どもにできるだけ自信を持たせることと、目の前の課題に集中させることが大切です。最終的に、保護者の役割は体調管理とメンタルケアに尽きます。
当日まで2週間を切ったら…
塾を休んで家庭で最後の追い込みをする、ということも考えられますが、メンタル面で行き詰まることもあります。そういうときこそ、百戦錬磨の塾の先生を頼ってください。
この時期は、保護者の焦りが子どもに影響しやすいので、まずは「どっしりとかまえる」ことを意識しながら、次のことを心がけましょう。
●教材の難度を落とさない
やさしいレベルの教材ばかり解いて「できるようになった」と錯覚してしまうと、入試の少しの傾向の変化でパニックに陥ります。過去問の中でも難度の高い学校のものを解き、持っている力をすべて出し切らせることを、一度はやっておきましょう。
●新しい教材に手をつけない
場当たり的に新しい教材を渡さないことです。やり切れない場合は、「やっていないところがある」という不安も残ります。全単元の復習をするなら、夏期講習の教材が使えます。
●必要なら過去問に再チャレンジする
合格ライン周辺の子は、過去問を、合格点を超えるまで解いてもらいます。これはあくまで「志望校の傾向の再認識と自信づけ」がねらいなので、苦手科目のみ、2年分ぐらいで十分です。「合格のイメージ」をもって当日を迎える準備です。
この3つが完璧にできなくても、焦る必要はありません。ただし、最後まで成績が伸び続けることを信じて粘りましょう。あれこれ悩ませず慌てさせず、淡々とこなことが大事です。