宮野真守、自らの手で探る“宮野真守の可能性” 底知れないポテンシャルと想像を超えるエンタメ精神

宮野真守、ツアー『DRESSING!』レポ

 声優/アーティストとしてはもちろん、映画や舞台、バラエティ番組など活躍の場を広げている宮野真守が、ライブツアー『MAMORU MIYANO LIVE TOUR 2024-2025 〜DRESSING!〜』を開催した。

 アーティスト活動15周年イヤーを経て、新章に突入した宮野の2025年。“着飾る”を意味するタイトルを冠したツアーは、自らの手でさらなる“宮野真守の可能性”を探るようなチャレンジングな内容となっていた。大阪、新潟、宮城、愛知を経て辿り着いた千葉2DAYSから、初日1月25日のレポートをお送りする。

 暗転とともにビジョンに映し出されたのは、ファッションショーの裏側を描いた映像。宮野がメイクを施され、モードな黒い衣装を纏って颯爽とランウェイを歩き始める。すると、そのままリアルのステージに繋がり、ランウェイよろしくセンターの花道に姿を現す――という演出でライブは幕を開けた。

宮野真守(撮影=山内洋枝[PROGRESS-M]/山下深礼[PROGRESS-M])

 1曲目は、ライブのテーマソングと言える最新シングル「DRESSING」。ダンサー4人を従え、ロングコートを翻しながらクールな表情で踊る姿は、さながらハイブランドのモデルだ。艶やかな歌声とセクシーな腰つきでオーディエンスを挑発し、黄色い歓声を浴びる。衣装で着飾るだけでなく、宮野自身も仮面をかぶって演じているような、不思議な雰囲気に惹き込まれていった。

 ファッションショーをイメージしているだけに、今回のライブの見どころは、何と言っても衣装だ。冒頭のブラックコーディネートから、素肌にフェイクファーコート&デニムというワイルドなスタイル、さらに白いダブルのスーツへと、どんどん衣装をチェンジしていく宮野。映像のなかでもさまざまなテイストの衣装を着こなし、あらためて彼のスタイルのよさと柔軟な表現力、豪華な衣装に負けないスター性に驚かされた。

宮野真守(撮影=山内洋枝[PROGRESS-M]/山下深礼[PROGRESS-M])

 もちろん、スタイリングに合わせて楽曲やパフォーマンスも千変万化。ひときわ大歓声を巻き起こしたフェイクファーコートのターンでは、骨太なロック「BODY ROCK」やメドレー形式でダークなEDMナンバー「TRUST ME」などを披露して通してタフな存在感を見せつけた。

 一方、白いダブルのスーツでは、昨年開催のオーケストラコンサートのために作られた「AUTHENTICA」や千葉公演限定で披露されたナンバー「未来」といった珠玉のバラードを優しく歌い上げる。きらびやかなスターではなく、ひとりの“宮野真守”として、大切な想いをオーディエンスへと届けた。特に、コロナ禍を経て観客の声出しが解禁となったタイミングで生まれた「Sing a song together」については、「苦しい時に、僕とみんなを繋いでくれた曲」と紹介。オーディエンスの合唱に耳をすませながら、寄り添うように重ねる歌声がどこまでもあたたかかった。

宮野真守(撮影=山内洋枝[PROGRESS-M]/山下深礼[PROGRESS-M])

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