先月 子どもを産んだ。妊娠期間中は抵抗力が弱るため、食中毒を恐れて生魚を食べられなかった。生肉や生卵も同様だ。

そう思うと回転寿司は控えるべきなのだが……ダメって言われると逆に行きたくなるじゃない!?

ってなワケで「生モノ完全NG」で回転寿司に行っても楽しめるのかどうか、検証してみました。第3回はくら寿司編をお送りしますっ!

・ルール説明

今回筆者が訪れたのは、回転すしチェーン『くら寿司』の地方店。

生魚・生エビ・生貝・生肉・生卵といった「生モノ」はすべて完全NG。

その縛りの中で、いかに美味しく楽しく食事ができるかを検証するものとする。

検証時期は2024年12月で、平日のランチ時間に訪問。そのためこの記事が公開される2025年1月には すでに提供を終了している期間限定メニューが登場することをご了承ください。


それではさっそく行ってみよう~っ!


・くら寿司は揚げ物とうどんが推し!?

入店直後、タッチパネルに表示されていたのが この質問だ。

「ビッくらポンを実施しますか」


えぇ~っ、ビッくらポン?


どうだろう、大人一人で来てるのに。


…………まぁ、実施しちゃうよね。

こちとら33歳だけど、くら寿司の楽しみといえば1に寿司2にビッくらポンだもの。

この日の景品は歌い手adoさんとのコラボグッズ。正直それほど詳しくはないんだけど「もらえるもんはもらっとく」の精神である。(実際には今回ビッくらポンを回すことはなかったんだけど)


さてさて、さっそくメニューを見ていこうか。この企画では まずは何も注文せずメニューを1周することが習慣になりつつある。

おやっ?

 

「濃厚チェダーチーズ天」「とうもろこしかき揚げ」「オニオンリング」なんて珍しいな。


ってか、よく見たら揚げ物メニュー多いな!

「くらチキ」「ミニころチキン」「ザンギ」「シュリンプ風」「たこから揚げ」って、下手したら居酒屋級の豊富さじゃない!?

くらチキはクリスマス前(取材時)だから限定メニューかもしれないけど、それにしたって鶏の揚げ物だけで3種類もあるのは寿司屋にあるまじき充実度である。


──あ、そういえばコレも忘れちゃいけない。

以前 回転寿司に詳しい中澤ライター「くら寿司はうどんの出汁が頭一つ抜けている」って言ってた気がする。

実際に平日限定とはいえ、天かすとネギだけが載ったほぼ素うどんをわざわざステッカーまで貼って推しているんだから、よっぽど自信があるんだろう。

オーケー! くら寿司の生モノNG推しは揚げ&うどんってコトで把握したぜ~っ!!


・生モノNGくら寿司で注文したのは…

ってなワケで、今回くら寿司で注文した生モノNGランチは……コチラ!

・トリュフ茶碗蒸し(税込380円)
・天然だしうどん(税込200円)
・旨だれ牛カルビ(税込115円)
・特大うなぎ(税込230円)
・たこから揚げ(税込280円)


まずは先輩ライターおすすめのうどんからいってみよう。

素うどんを食べるのなんて何年ぶりだろう。普段だったらついカレーうどんや天ぷらトッピングで安易に満足度を高めちゃうんだよね。


コレで出汁や麺のレベルが低かったら悲惨なことになるんだけど……

むむむっ! 噂に違わず、出汁がスゴいっ!!

味の濃さじゃなくて、鰹とか昆布(たぶん)とかの出汁が効いていて、完飲できるレベルで美味しい。素うどんはさすがに寂しいかと心配していたけど、意外なほどに一切の問題がない。間違いなく出汁が主役のうどんだ。


麺もモチモチしていてイケるし、しかもたくさん入っている。少食な人だったらこれで腹5分目ぐらいまでいきそうで、くら寿司が自信を持って提供していることが伝わってくる一杯である。

回転寿司のうどんの本気を見せてもらったようだ。くら寿司、このクオリティしかと受け止めたぞ!


続いて食べるのは、トリュフ茶碗蒸し!

前回のかっぱ寿司編で美味しそうな茶碗蒸しを逃した反省を活かし、今回は少しでも気になったら絶対に食べると決めていた。


揺さぶるとプルプル柔らかそうな くら寿司の茶碗蒸しは、まるでジュレのよう。

湯気からは既にトリュフのラグジュアリーな香りが漂い、食欲が高まる。


スプーンですくうと、表面からサラサラとソースが流れていく。トリュフは茶碗蒸しに混ぜ込まれているのではなく、ソースとしてかかっているようだ。

温かな茶碗蒸しにからむソースは濃厚でクリーミー。

口に入れると まるでポタージュのようにトリュフの味わいが楽しめるし、茶碗蒸しや出汁との相性も素晴らしい。この組み合わせがここまで相性がいいとは……考えた人は天才じゃなかろうか!?

ちなみに具材はホタテ2個。数的には控えめだったけど美味しいから全然構わない。コレ、くら寿司来たら絶対に頼むべきメニューです!


寿司2皿も満足度が高かった。

どどーんと大きな特大うなぎ寿司は実質うな丼と言ってもいいぐらい!

寿司1貫に230円払うって勇気がいることだけど、それに釣り合う肉厚で美味しいうなぎで幸せ気分に。お腹の満足度はもちろんだけど、なにより心が満たされた。


旨だれ牛カルビは、寿司っていうより焼肉おにぎりみたいにシンプルな美味しさ。

お肉が薄いから 食べる前は「これだけ?」っていう不安があったけど、味が濃くガッツリしていてワンパクな気分が満たされた。

実は筆者、これまで回転寿司では生魚ばかりを食べて 肉寿司に手を出すことがなかった。でも、これからは1~2皿ぐらいは食べていきたい。この美味しさと食べ応えで115円皿はお得だよ!


……と、ここまで非常に満足度が高かったくら寿司なのだが、個人的に残念だったのがたこから揚げだ。

予想ではあるのだが、このたこから、ひょっとしてミニころチキンと共通の衣(ころも)を使っているんじゃないだろうか?


というのも、海のモノを食べているハズなのに なんとなく脳裏にチキンがよぎる味なのだ。

イメージで言うと、ケンタッキーの衣をタコにまぶしたような感じ。せっかくのタコの美味しさがかき消されて もったいないような気がしてしまったのだ。

まぁ、この辺の評価は好みにもよるだろう。逆に言えばスナック感覚でパクパク食べられるジャンキーなたこからだったと言えなくもないのだから。


今回は食事量が多かったこともあり、デザートへいく前にお腹がいっぱい。

特にうどんと茶碗蒸しが素晴らしく美味しかったことを考えると、やはりくら寿司の武器は “出汁” なのだろう。この2品は、生モノが食べられるようになったあともずっとリピートしたいな!

普通の寿司が食べられないからこそ気が付けた くら寿司の名物。まだ食べたことがない方は、絶対損しないと思うので是非試してみてほしい。

──ということで、次回はラストのはま寿司編をお送りする。最後まで楽しんでもらえると嬉しいな!

参考リンク:くら寿司公式
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.