ボリュームのあるハンバーグでお馴染みのチェーン『びっくりドンキー』。いつ見ても客入りがよく、特に食事時となれば並ばなければ入れない人気店だ。

なんといっても味付けの種類が豊富で、おろし大根、チーズ、デミグラスソース、さらにはカレーまであらゆるソース×ハンバーグの組み合わせが楽しめる。

その中で私(高木)が長年スルーしていたのが『ポテサラパケットディッシュ』。地味に見えて惹かれなかったのがその理由だが……ひょんなことから一度食べたところ、すっかり虜(とりこ)になってしまったのだ。

・ポテサラ×ハンバーグ!?

びっくりドンキーで人気のハンバーグと言えば、チーズバーグディッシュカリーバーグディッシュ

ただでさえ肉汁たっぷりボリュームのあるハンバーグの上に、さらにガツンと食べ応えを増すスタイル。外食には 自宅じゃ難しいパワーメニューを求める私にとっても、好ましいことこの上ない。


そういう意味では、ポテサラパケットディッシュは正直華やかさに欠けると言わざるを得ない。

ハンバーグでポテトサラダとチーズを包んだメニューなのだが……チーズはともかくとして、ポテトサラダ? なんで??

余計な一品が加わることで、ジューシーな肉汁もコッテリトロトロなチーズも一気に野暮ったくなってパンチが削がれそう。せっかくウキウキでびくドンに来ているのに、あえてコレを注文する理由なんてないでしょ。

──そう思っていたのだが、今思えばこの時の私は、勝手な偏見で食わず嫌いをする愚か者であった。


・北海道が産んだ奇跡

あれほどどうでもよかったポテサラパケットディッシュを注文したキッカケは、なんてことはない。ただ夫が「美味しいらしいよ」と情報を手に入れてきたから。ちなみに、筆者が訪れた店舗(地方ロードサイド店舗)では税込1010円だった。

嘘だろ~、と思いながら試しに頼んでみたところ……運ばれてきたハンバーグはオムレツのような形をしていた。

なるほど。他のメニューとは違って中に具材が仕込んであるからこの形なのか。ずっしりと重みを感じ、肉の隙間から漏れ出たチーズがトロリと木皿に垂れる様子に食欲をそそられる。


真ん中から大胆にカットしてみると、

チーズバーグやフォンデュ風チーズバーグとはまた違う、トロッと滑らかに伸びるチーズがお目見えした。

ゴロッと粗くつぶされたジャガイモも一緒に入っているが、心配していたパサパサ感はなく、肉汁とチーズの脂が溶けあったエキスがじんわりとにじみ出てくるではないか。


思わず大きな口を開けてかぶりつくと……その美味しさはまろやかで濃厚。肉のジューシーさにポテサラのまったり感が重なって、北海道の大平原が口の中に広がるような牧歌的な心地になる。


また肉だけのハンバーグと違って結合が弱いようで、口の中に入れるとホロホロとほどけてマヨネーズの味がこぼれる。

そもそもびっくりドンキーのハンバーグは、牛・豚の合い挽き肉を使用した優しい味。これがポテトサラダのほっくりした酸味とよく合うのだ。

そんなノンキな味じゃあ米が進まないだろうと思うかもしれないが、大きな間違いだ。どんなにまったりとしていようとも、ベースはあのボリューミーなハンバーグ。米にもぴったりなのだ。


あぁ、浅はかな過去の私よ。表面的なパンチばかりを重視してカリーバーグディッシュばかり注文していただなんて、とんだド素人だ。(もちろんカリーバーグディッシュも最高だけど)

びっくりドンキーの本社は北海道。北海道といえばジャガイモの一大産地。北の大地で育(はぐく)まれたハンバーグとジャガイモの組み合わせが、不正解なワケがないのだ。


ひょっとしたらコレを読んでいる方は、既にポテサラパケットディッシュの美味しさをご存じかもしれない。だが、もしも私と同様に思い込みで食べたことがない人がいるならば、是非注文してみることをオススメしたい。

ひょっとしたら、皆さんのびくドンライフに新たな1ページが開かれるかもしれないぞ。

参考リンク:びっくりドンキー
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.

▼びっくりドンキーの名物だった木のメニュー表は廃止となっている。簡易的なメニュー表とタッチパネルの組み合わせがなんだか寂しい

▼この日の限定メニューはホイコーローとタルタルザンギ。ガツンとしていて心惹かれた