サマーソニック2011に出演するOdd Future Wolf Gang Kill Them All（OFWGKTA）。今週末のコーチェラにも登場の予定のこの20歳そこそこのヒップホップ集団は、自身のウェブでリリースしたミックステープやそれぞれのソロ・ワークがネット上を席捲、フィジカル・リリースのないままいきなりビルボードのカバーを飾るという離れ業で、時代性強烈なアナーキー・グループなのだが、ネットを掘っていくと、たしかにそのプロダクツは新しいアティチュードと画期性がほとばしるものばかり。ウータン・クランが登場したときの衝撃を彷彿させる。

5人のラッパーと1人のシンガー、3人のプロデューサー、1名のスケーター、そして1名の映像作家で構成されているこのOdd Future、写真は5月にフィジカル・リリースされるラッパー、Tyler,The Creatorのアルバム『GOBLIN』（日本発売は7月の予定。写真はそのジャケット）で、そのほかにもMellowHypeの『BlackenedWhite』もリリース予定（輸入盤は6月、日本は7月）ということで非常に楽しみなのだけど、その作品にもフィーチャーされているグループの一人、Odd Futureで唯一のR&BシンガーというFrank Ocean（まだ23歳）のこの楽曲にはぶっ飛んだ。バックトラックはそのままイーグルスの「ホテル・カリフィルニア」、そして、それをほぼそのままなぞっていくFrank Oceanなのだけど、メロの解釈、言葉の合わせ方、そしてなによりその空気。しなやかな声なのに凄まじい密度で重い。まずは聴いてみてください。こちら。http://www.youtube.com/watch?v=13y4WNuHRhI

カナダのこれもまた謎の集団The Weekndとともに、ブラック・ミュージックが確実に変質してしまう兆しを感じる。（The Weekndについてはこちらから。http://ro69.jp/blog/miyazaki/49250　スージー・アンド・ザ・バンシーズをサンプリングした「House Of Balloons」はこちらから。http://www.youtube.com/watch?v=SjrCg4SybNw）