社会・政治
「あなたの子供がイジメに」脅迫電話や玄関にゴミ撒き…死去した元兵庫県議を苦しめた卑劣すぎる嫌がらせ
「元県民局長に、元県民生活部総務課長。そして今度は元県議。これで死亡者は3人。異常事態としかいえません」
こう嘆くのは、兵庫県庁職員だ。1月18日、元県議の竹内英明氏の死亡が救急搬送先の病院で確認された。竹内氏の名前が知れ渡ったのは、斎藤元彦知事のパワハラ疑惑などを審議するために県議会に設けられた百条委員会がきっかけだ。同委員会の委員であった竹内氏は、出直し選挙で斎藤知事の返り咲きが決まった翌日の2024年11月18日に、体調を理由に県議を辞任していた。
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「竹内さんは県議を5期務めたベテランです。百条委員会では、県による金融機関への補助金がプロ野球、阪神タイガースとオリックス・バファローズの優勝パレードの寄付金に対するキックバックだったのではないか、という疑惑が追及されていました。実際に斎藤知事と片山前副知事に対し、背任罪の告発状も出されています」(同前)
同疑惑を追及するなかで、竹内氏は“斎藤支持派”から苛烈な攻撃を受けていた。
「委員長の奥谷謙一県議と竹内さんは、まさに標的にされていました。とくに竹内さんは県知事選挙中、亡くなった元局長の夫人が議会議事課に送ったメールの捏造・代筆疑惑が取り沙汰され、被疑者として捜査を受けているなど、根も葉もない誹謗中傷をSNSなどでバラまかれました」
亡くなった直後にも、同知事選に立候補していたNHK党の立花孝志代表が動画サイトに逮捕される予定だったと投稿。これを受けて兵庫県警本部長が「(竹内氏について)捜査を行っていない」「事実無根」と全否定する事態となった。警察が個別案件の捜査情報を公式に明らかにするのは極めて異例で、それほど竹内氏をめぐる虚偽情報の拡散がひどかったといえる。
竹内氏を苦しめていたのは、SNS上の誹謗中傷だけではない。直接的ないやがらせもあったという。竹内氏の知人が語る。
「嫌がらせ電話や、玄関前にゴミを撒くといった嫌がらせ行為が連日、あったそうです。まず、夫人が精神的に参ってしまい、竹内さんに『辞職してくれ』と迫ったと聞いています。ゴミは片づければ済むことですが、嫌がらせ電話は『近隣に住む親戚の子供も含め、あなたの子供は学校でイジメに遭う』といった内容のものがPTAの関係者から寄せられたこともあるそうです。どこの誰なのか顔が見えないSNSと違い、知り合いからこうした電話が入ることに、心底怖いと話していました」
竹内氏も12月に入ってからは、フェイスブックを除いて自身のSNSアカウントを閉め、携帯電話やメールにもまったく応じなくなったという。
「夫人は今年に入って回復したようですが、逆に、竹内さんの落ち込みが酷いと人づてに聞いていました。体重もずいぶん減っていたようですから、食事も喉に通らないくらいに苦しんでいたんでしょう。じつは、亡くなった元局長も、優勝パレードの担当者だった元生活部総務課長も、竹内さんとは高校の同窓です。元課長の死因は分かりませんが、パレード開催後に精神的な問題で休職していた末のことでした。竹内さんとしては辞職を余儀なくされたことが無念だったと思います」
いったい、兵庫県政で何が起きているのか。真相究明を進めなくてはならない。