
チーフコンサルタント 主席研究員
小林 暢子
デザイン思考文化が浸透し、国内トップクラスの陣容
小林デザイン室としては、具体的にどんな活動をしているのですか。
大野先に少し触れたように、デザイン思考を取り入れたプロダクト開発の推進に取り組んでいます。そのためには、まずプロダクト開発を行う組織にデザイン思考を浸透させる必要があります。実際にプロダクト開発を行う人たちがデザイン思考の重要性を認識し、実践できるようになるために、2021年に3カ年計画を立てて、3年間でデザイン思考を理解・実践・学習し、高い価値を創出する組織への変革を進めています。
例えば、デザイン思考についての考え方、用語、基本的なプロセスなどの理解を深めるために、イラストを多用したe-ラーニング教材の提供やプレイブックの配布を行っています。
また、デザイン思考を実案件の中で実践してみようと思ってもらうために、デザイン思考実践研修や実案件をデザイン室メンバーと協業で実施するOJTなど、実践的スキルの向上にも取り組んでいます。
業務をマネジメントするミドル層や幹部層向けにも様々な活動を展開しています。実務を担う若手がデザイン思考を取り入れたいと思っても、上の理解がないとなかなか前に進めないからです。「開発の前になぜユーザー調査やワークショップが必要なのか」「経営戦略としてなぜデザイン思考に取り組むべきなのか」といったことをテーマにした研修などを通じて、デザイン思考の理解促進に努めています(図1)。