レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
2位
1回
2011/08訪問 2011/10/16
お湯が最高のご馳走だけれども、食事もなかなか美味しい秘湯の宿。
福島市内から磐梯吾妻スカイラインに至る途中の高湯温泉。当宿はその中にある『日本秘湯を守る会の会員宿』なので、一番のご馳走はお湯。源泉かけ流しの少し青味がかった白濁湯に浸り、湯が湧き出している沢の向こうの景色をボケ~ット眺めていると大変贅沢な気持ちとなる。全部で14室のこじんまりとした宿で、夫々の部屋は昔ながらのスキー宿とか民宿と言った風情だが、それはそれで秘湯の宿の雰囲気を醸し出す効果となっている。だからと言って設備が貧弱かというと、全ての部屋には冷蔵庫とウオシュレット付きトイレが設えられていて何等不自由を感じることは無い。初めて訪れたのは2009年秋、それ以来ご無沙汰であったが震災後の福島ツアーに組み込ませていただいた。CP抜群のイタリアンで昼食を済ませ、足を怪我した義母を一旦宿に下ろし、福島CCで薄暮Playを楽しみ再び宿に戻るとなんとバレーパーキングのサービスが待っていた。前回は自分で駐車場に停めたと記憶しているのでおもてなし度が相当向上していたのにはビックリ!暮れなずむ景色を眺めつつ露天で汗を流すと気分爽快。部屋に戻りビールで喉を潤していると間もなく食事の時間となる。夕飯は1階の食事処で食すのが基本だが、一人千円の追加料金で部屋食にも変更できる。当家としては気兼ねなく食事も楽しみたいので、部屋食を選択させていただいている。食事処はどうだか?判らぬが、料理はこの地方らしくお膳に載って供される。三の膳まで予め用意され、頃合をみて次々と暖かい料理が運ばれてくるのが嬉しい。一手間加えられた優しい料理は、魚、肉、野菜がバランスよく配され品数も多く(確か10品以上)大変美味しい。お酒なども勿論楽しみ約2時間ほどかけて満腹満足、食後のお湯を楽しみ即就寝。ぐっすり眠った翌朝は、日の出と共に貸し切り風呂を独り占め。結構な品数のやはり身体に優しい朝食を食事処で美味しくいただき、出立前にまた一風呂楽しませていただいた。セコイ話、人に知れ予約に難儀することを恐れるあまりレビューアップを躊躇っていたが、福島が災難のこの時期少しでも応援になればと踏み切った次第。先のバレーパーキングではないが、宿の方々のお客に少しでも多く満足していただこうと言う気持ちがよく判る。そろそろ秋の紅葉シーズン、又訪れることができたら幸せだな。
3位
1回
2011/08訪問 2011/08/19
『今夏は湯河原の宿ではなく飯坂の宿が良い』との娘の言に従い旅程を立てた。朝7時に出立、娘と義母を拾い福島西インター到着は予定から1時間遅れの午後2時近く。早く着いたら昼食はイタリアンにしようと思っていたが、この時間では電話も繋がらず当初の予定通り当店への訪問と相成った。『塩雲呑や塩焼豚がお勧めだ』との娘からの情報にいち早く奥さんが『ママは塩ワンタ~ン!』と明るく元気に反応したのには一同大笑。そうこうしているうちに娘のナビで目的地到着、店裏第2駐車場に車を止めた。1分程歩いて店頭に到着すると2名づつなら席が用意できるという店の奥様からのご案内。何等異存無く、奥さんと義母は入り口脇の2名用のカウンター、娘と私は厨房前のカウンターに並んで陣取った。奥さんと義母は宣言通り『塩雲呑麺』私は常連さん一押しと掲示された『塩焼豚麺』、娘は悩んだ末に新メニューの赤味噌ラーメンにバターのトッピングを選択。やや間があって水を運んできてくれた奥様に注文を告げた。4人掛けのテーブルが2つ、その奥に窓に向かった形でカウンター席が5席程と厨房前のカウンター席を足して約20席といった設えの店内は、空席が2~3とこの時間でも結構混んでいる。高名な店の割には漫画雑誌が置いてあったりして、町場のごく普通のラーメン屋さんといった風情が漂っている。そんな中、カウンターに置かれた上杉対伊達の福島攻防史を紹介したチラシを読んでいると、注文の品が奥様の手により順番に運ばれてきた。黄金色に輝くスープを一口戴く。鶏の出汁が良く効いたとても優しい味だ。『旨いが少しヌルイ』と一瞬感じたが、『この温度も優しい味を醸し出すのに一役かっているのだろう』と思いなおす。焼豚はホロホロで口に入れた瞬間溶けてしまうかのような柔らかさ。この味もとても優しい。麺の硬さも丁度良く大変美味しく戴いていると奥さんから雲呑が差し入れされた。厚みはないものの今まで食した中では一番の面積を持つ雲呑は、餡が透けて見えるほど皮が薄い。海老と肉の混じった餡と皮が絶妙なハーモニーで旨い!確かにこのラーメンは旨い!ラーメンほど好みの分かれる食べ物は無いと思うが、この一杯を食べて旨い!と思わぬ人はいないのではないかと思う。宿の食事を思って煮卵をトッピングしなかったのが悔やまれる。後客が頼んでいたネギ焼豚丼も旨いのだろうな。レビューを書いている今、『食べておけば良かった。』という後悔の念が沸々と沸いてくる。また東北旅行を企画し、是非再度お邪魔させていただこう。付記:途中少し味見した娘の味噌は、残念ながら私好みではなかった。バターも余計だったかな・・・
4位
1回
2011/09訪問 2011/10/06
お彼岸墓参りの後、奥さんの誕生祝も兼ね義母が如水会館にある当店へ招待してくれた。と、言っても義母が如水会の会員であるわけでもなく、身内に一ツ橋出身者がいるわけでもないのだが、株主である東京會館の優待券を使ってのご招待という仕組み。半年毎にこの恩恵に与っており、毎回異なる場所を訪問させていただいて、今回は当店に白羽の矢が立ったという次第。予約成立時から『運転は誰がするのか?』が、奥さん最大の関心事。『ジャンケンで負けた者が運転の不文律だ。』と主張するも『誕生日なのだから』と私の運転手役を主張する。『尤もな主張だ』と思いつつ『義母の家に泊まれば私もワインが飲める。』と提案するが、『明日は用があるので家へ帰る。』⇒『朝早く帰れば良い』⇒『朝はユックリしたい』と『どうしても私に運転させたい』という一心が為せる駄々っ子状態で手がつけられない。娘は食事後品川で友達と会うと言うので除外。よって成人後初のワイン抜きフレンチフルコースに臨むことと相成った。定刻通り水会舘1階の当店にお邪魔すると品の良いご夫婦が先客で一組いらっしゃる。壁際をソファー席が取り囲む窓の無いシックな内装の店内は大変落ち着いた雰囲気。アペリティフに奥さんはキールロワイヤル、娘はミモザ、義母はジンジャエールに私はペリエをお願いし、食中には本店に比べれば大変リーズナブルな品が並ぶリストから5千円台のシャルドネも予めお願いする。パテとパイ風な品のアミューズから始まるコースは、海老と帆立貝のグリエ ラタトゥイユ添え、ビシソワーズ、東京會館名物スズキの白ワイン蒸グラタン風ソース、フォアグラが載ったフィレステーキと大変美味しい正統派フレンチの品が続く。タイムリーで肩の凝らない節度あるフレンドリーなサービスも相俟って、如水会に縁もゆかりも無い我々でもくつろげた雰囲気で食事を楽しめたのは大変有り難かった。昼食は神宮の不味いホットドッグ1ケで終わった私は最後までペリエで通したものの、アイスクリームとフルーツのデザートにコーヒーまで美味しくいただけた。本店プルニエ並みのお味がガチガチのサービス抜きで楽しめたのは高得点と思ったが、遅い昼食に義母お勧めの店で天麩羅コースを食した三人、娘は相当な膨満感を訴えていた。残りお二方の感想は聞き漏らしたが、果たして如何だったのだろう。
5位
1回
2011/08訪問 2012/11/08
湯西川の宿を10時に立ち、ノンビリと当店へ向かう。4日前の電話で12時の予約が取れていた。その時点で予約必須と言われているハンバーグもお願いすると、残り2つとのことだったので勿論2つ予約した。ステーキのコースはお邪魔した時点でとお願いしてある。ナビによれば11時50分到着予定とのことなので余裕だと思っていたが、鬼怒川の街を過ぎる辺りで大渋滞。大急ぎでUターンし鬼怒バイパスを使う。今市に入っても結構混んでいる。日光CC脇のルートを通れば何という事もなかったのだが、当家の馬鹿ナビは日光街道を選択したため定刻ギリギリの到着と相成った。雰囲気の良い別荘地の中にある当店の角を曲がると駐車スペースが現れ、駐車係りのおじさんの誘導で車を止めた。義母の車椅子など用意して入店すると、6畳一間ほどの薄暗いウエィティングルームで暫し待機となる。後客が続々と訪れ結構慌しい。『ハンバーグがお二つと伺っております』とお姉さんに渡されたメニューは、肉の銘柄と値段しか記載されていないイメージでじっくり考える余裕が無い。そんな中、目に飛び込んできたのが『当店お勧め』という文字。確か5,000円~8,000円の範囲にこの文字はあったのだが、簡単には特定できず、娘が『どれがお勧めなのか?』訊ねると示されたのは8,000円のコース。ではそれをと鷹揚にお願いすると『フィレとサーロインがあるが』と選択を迫られる。『サーロインが娘でフィレを奥さんに、ハンバーグは私と義母で』とお願いした。『コースの内容がハンバーグとステーキでは異なるが?』との問いには『それで構わない』とお伝えすると『承知した』とのことで無事注文が完了した。『肉が大層旨い』との風聞から今回の旅行のハイライトの一つとして楽しみにしていたが、『食べログレビューもよく読んでいなかった』ことと、要領を得ないHPのお陰で注文一つに大分とまどった。』実は『ハンバーグはアラカルトとして皆でシェアし、もう少し安いステーキを4人分注文したら良いかな?』と漠然と思っていたのだが、結果的には前記の注文が大正解であった。ご案内しますと店内に入ると肉の展示横に、焼き上がりと謳われた焼豚の試食品などがある。『お帰りの際にご試食下さい』とのご丁寧な但し書きには苦笑させられた。案内された席は緑が見えるホールで、車椅子の義母に気を使っていただいたテーブルであった。開放感を演出しつつプライバシーにも配慮された造作だがやや狭い。テーブル上にはナイフとフォーク&小さなグラスに赤ワインと思われる液体と撥ね防止のエプロンがセットされていた。さて先ずは飲み物だが、『運転は誰か?』と言う大問題が待っている。奥さんが懲りずにアミダクジを主張したのだが、ここは私が『運転するので好きなものを飲んでくれ』と宣言すると、とても嬉しそうな笑顔を見せた。娘は『ジャンケンした後に宣言すれば面白かったのに』と囃し立てるが、『万が一、私が負けたら面白くもなんとも無いではないか』と返すと納得顔。奥さんと娘にビールを私はフリーをいただいた。喉を潤していると『ローストビーフが焼き上がりましたので少ないですが』とサービス風に供された物をいただく。柔らかく甘く大変美味しい、この後の食事が楽しみとなる一品であった。ここで娘がワインリストをお願いし、手渡されたリストを眺める目を白黒させている。『20万とか30万のワインが並んでいるのか?』と質すと、『接待で来たらヤバイ。』と渡されたリストを覗くと90万~なんて品も並んでいる。流石だなと眺めていくとソフトドリンクのページに差し掛かる。『キリンフリー350円』なんとリーズナブルなお値段。京都の有名肉店で支払った630円を苦々しく思い出す。そのような中、白が好きな奥さんの為に選んだのは6千円台のシャルドネ。娘がお店の方に伝えると『なにやら講釈が始まった。』結構珍しい製法のものらしく、給仕の方もお気に入りの品らしい。ワインが用意されるまでにとても綺麗なコンソメスープが供された。大変上品な品で、私には少し味が薄く感じられたものの、女性陣には好評のようだった。スープを飲み終えるとワインの用意がなされたが、テイスティングは無し、コルクの提供も無し、ワインクーラーはテーブルの上と気取らないと言えば良いのか?ラフと言えば良いのかと言ったサービス・・・20万のワインでも同じサービスと言うことはあるまいが・・・・。ほんの一口味見したワインは相当リーズナブルな設定なのであろうと思われる大変美味しい品であった。その後オードブルやらサラダが供され、品数の少ないハンバーグ組は、ステーキ組のお零れに預かった。そうこうするうちにメインがやってくる。フックラと焼き上がったハンバーグはジューシー。ナイフを入れると肉汁が滴る。遅れてやってきたステーキは可也分厚いが柔らかなようでスパッと切れた一切れを頬張った奥さん。思わず大きな声で『オイシー!』と叫ぶ。私も一口頂く、確かに旨い。全く油ぽくない爽やかな感じの甘さが口に広がる。これなら幾らでも(金の続く限りだが)食せそうだ。娘のサーロインもシェアしてもらったりしながら、皆でお肉を食べつくすと一旦皿が下げられ、ガーリックライスが盛られての再登場を待つ。この間にお土産のリストが抜け目なく配布される。店で供された物とホボ同じだと言うハンバーグも載っている。お店の方によれば、『焼き方が家庭では難しいので、店と同じ味には中々なりませんが』とのこと。『お土産用はあるのに、店での提供は残り二つって?』と素朴な疑問が沸いたが黙っておいた。ハンバーグとコロッケ、メンチなどを頼み終えるとガーリックライスが供された。ちょっと洋風なお味だがマー旨い。と思っていると娘が『ここのも旨いし、瀬里奈のガーリックライスも旨いが、バーベキューの後、パパの造ってくれた物が一番美味しいと思う』と嬉しい事を言う。奥さんも『確かにあれは旨い』とお追従を述べたりしながら、皆美味しく完食。この後アイスクリームやシャーベットのデザートとコーヒー等も美味しくいただき、約一時間のランチは終了した。この後道を隔てたお土産コーナーで注文の品を受け取るのだが、そこでも『ハンバーグは前沢牛の物もあるが、普通のもので良いか?』と問われる。『それならそれで早く言ってくれ』という気分。全体的に初めての訪問客には戸惑うことの多いオペレーションは、店の自信の表れから来るものか?ホスピタリティーの欠如と思うのは貧乏人の僻みか。次回はオーベルジュに泊めていただいて、ワインも楽しんでみたいものだ。その時アラカルトメニューがあれば大変嬉しいと思うのだが、その存在は未だに謎だ。
6位
1回
2010/12訪問 2015/10/19
毎年恒例の義母とのデイナー。今年は娘が多忙なため年明けに設定としたのだが『何もイベントが無いのも寂しい。ランチでも良いので、どこかに行きたい。』とのリクエスト。それでは絶好の機会なのでと当店の休日ランチを2週間ほど前に予約した。茅ヶ崎の駅で待ち合わせ、全員定刻通りに集合し、タクシーで当店へ向かう。雄三通りからテッポウ通りを松ヶ丘一丁目で左折し、細い道を突き進み駐車場の中で下車。あそこに見えるとがった屋根の洋館が当店と運転手さんに教えてもらい訪問した。車で店頭まで行くと帰りの切り替えしが大変なのだろうな。因みに料金は980円。距離もさることながら迷路のような道であったので、とても歩いて訪問できそうもなくタクシーに乗って正解。尚、帰りはテッポウ通りより大分桜道に近い感じだったのでブラブラ歩いてみたら駅まで15分くらいだった。さてさて建物に沿って回り込み、玄関を開けると1階の店内はホボ満席。やはり予約は必須のようだ。コートを預け隣席の声が気にならない程度に設えられた4人がけのテーブルに着席すると先ずはメニューが配られた。娘と義母は3800円のプリフィクスコース私と奥さんは特別コースは5800円とし、行儀悪いけどシェアすることに。サイドオーダーで百合根のスープカプチーノ仕立て800円&野菜サラダ1000円を書く2品頼む。サラダは予めシェアすることを頼むとスープもシェアしますか?との有難い申し出があったが、『量的には然程の物でない』との事のなので丁重にお断りをした。料理のオーダーが済むと飲み物のメニューが手渡された、皆アペリティフもシャンパーニュも要らないと言うので仏語のみで書かれたワインリストから6000円台のシャブリをチョイスした。アミューズは黄色い人参と小さなチーズが挟まれたラディッシュとオリーブにシューが2つ。前菜は1品目が牡蠣とキャベツを蒸したようなものをバターソースで食す。石巻産の牡蠣だそうで大振りな物がゴロゴロという感じで入っていた。『バターソースを掛けて召し上がってください。ソースも美味しいのでパンで絡めて味わってください。』と若い方のウエィターさんからメッセージが添えられた。娘が『どうやって食べるのか?』と私に質問するとバトラーのような年嵩のウエィターさんが『ナイフとフォークで切ってスプーンでお召し上がり下さい。』と回答してくれた。私は危うく魚用のスプーンでキャツを切る所であったので、適切な助言に感謝したが『結構客の話に耳を立てているのだな。』とも同時に思った。勿論スープをパンで絡め取ったことは言うまでも無いが、パンその物も美味しいので旨さは二乗となって口に広がった。2品目はセロリのリムースに帆立のコンソメジュレが乗った物。『セロリは根の部分を使った物』だとの説明あり、奥さんが『入り口のテーブルに何故椰子の実が置いてあるのか?不思議に思った』というセロリの根の実物をテーブルまで運んでくる演出もあった。セロリの良い香りのするムースは全員口を揃えて『美味しい!』という逸品であった。結構この時点でお腹が膨れてくる。ワインは1本目が空き、同じシャブリを追加で頼む。同時にあまりお酒を飲まない義母の為に水も頼む。頼まないと水が供されないと言うことは『エビアンか何か有料の物を頼まなければならない店なのか?』定かではないのだが、その割にはサービスはフランクだし、ワインの継ぎ足しが遅いので、そこまでスノップなことは無いと思うのだが、頼んだ義母にしか水は供されなかった。前菜3品目として特別コースには少々甘めの濃厚なソースで頂くフォアグラのソテーがが供された。香ばしく焼かれたフォアグラは上等な品だと思うが、全て食すとクドソウなので半分は娘にシェアする。義母のメインは金目のポワレ、娘は大山鶏に黒米や百合根など詰め物をしてローストしたもの。特別コースは塩、胡椒、芥子、粒芥子など自分で好きな味付けにして食す黒毛和牛のリブロース焼。娘とシェアしながら主に私は鳥を娘は牛を頂いた。丁度2本目のシャブリが空となり、グラスワインの赤を娘と共に頼む。銘柄は何か?金額はいくらか?聞き漏らしたが、ライトボディだが芳醇な香りの美味しい一杯であった。付け合せも美味しく頂き、タイミングよく供される美味しいパンを3つも頂いたのでお腹はパンパン。サラダは皆持て余すが、娘は頑張って自分の割り当ては完食。『流石若さだ!』食後のデザートも結構なボリュームだが女性陣は美味しくいただいたようだ。娘はハーブティー。私と義母はミルクティー。奥さんはコーヒーを〆に頂いているとマカロンと口に入れた瞬間トロケル生チョコがホンノ一口だが供された。『マカロンはもって帰れば!』と口にしたら『お土産にお包みしますよ』とすかさず申し出られたのには少々ビックリ。『酔って変な発言はしていないよな!』と自問してみた次第。シェフが嘗て料理長を勤められた大磯の館後にできたイタリアンが閉店し残念に思っていたが、少々足を延ばすことで解決だなと一安心。満腹満足でウエィターの皆様に見送られ店を後にしたら4時近く。3時間もランチタイムに費やした計算だが、けして間延びした時間ではなく適切な3時間であったと思う。しかし凄いボリュームだった。しっかりした味付けと共に郡山のフレンチを思い起こされたが、質もCPも当店に軍配だな。神奈川にあってこのCP満足度の高さは凄いことだと思う。是非またお邪魔させていただこう。
7位
1回
2011/03訪問 2011/03/13
帰宅難民となりかけた翌日、娘の車で横浜からの家路。途中モヤシ炒めを食べようと遊行寺方面へハンドルを切るも臨時休業で断念。そのまま箱根駅伝コースを海岸方面へ向かう。揚げ物を提案するも『それだけは避けたい』とのことなので逡巡しているとナビは浜須賀交差点の手前を鉄砲通りへ誘導する。松ヶ丘の辺りで当店の存在を思い出し、ナビに住所を打ち込み浜見平交番前を左折すると『えぼし本店]』が現れる。『オー懐かしい。昔はよく来たね。』等と話しているとナビが目的地到着を告げるがそれらしき店は無い。明らかに行き過ぎたのだろうとUターンしてノロノロ運転で目を凝らすと先達レビュアー諸氏の書かれている通り『ホッピー』と描かれた赤提灯の横におよそ蕎麦屋らしからぬ外観の当店を発見した。 店頭の案内に従い少し先にあるGS脇の道を入った駐車場に車を止め、店の扉をガラガラと開けると娘が『お洒落!』と一言発する。ユッタリシタ三線のメロディーが静かに流れる店内は、入り口付近の通りに面した大きな窓を背にに6人がけ位のテーブルがあり、右側には10人位が腰掛けられるカウンターが奥に伸びている。カウンターの中ではご夫婦と思われるお二人が切盛りしている。先客は奥でビールと酒肴を召し上がっているお二人のみで、指定されたカウンター席に腰を下ろす。通常のメニューとは別に提示されている『本日のお勧め』と思われる中から白子の天麩羅と春山菜の天麩羅をお願いし、娘に『悪いね』と断り、目の前の薦被りを一杯いただくことにした。メニューを眺めながらチビチビ飲っていると、期待通りフワフワな白子の天麩羅が揚るそばから順々と計8ケ程供された。これで7~8百円はお安いと思うし、良い店と言うことを確信させる一品であった。この間メニューをじっくり吟味し、娘は辛味大根、私は鴨汁の蕎麦を選択し酒のお代わりは『鍋島』をお願いする。うどから始まる山菜の天麩羅も季節を感じさせてくれて大変美味しい。値段の割りに一~二種類は多いと思われる量でこれも大満足な一品。『蕎麦をお出しして良いか?』との断り後供された鴨汁は細かく刻まれた鴨に葱だけでなく茄子なども細かく刻まれていて蕎麦に良く絡む。辛味大根も大根おろしの他に削り節や青さ海苔、葱等が薬味として供されるなど色々工夫がある。蕎麦自体喉越しも良く量的にも満足。『今度奥さんに運転をお願いして夜に来たいね。』と言うのが娘と私の共通な感想。容易に『ウン』とは言いそうに無いので、この店に歩いて来ることができる近隣の方が本当に羨ましい。白濁した蕎麦湯も美味しくいただき、大満足で店を後にして、気味の悪い程車の少ない日差し煌く134号を西に向かったのであった。
8位
1回
2011/09訪問 2011/09/13
娘が『参鶏湯とキムチの旨い店を知らんか?』と聞いてきた。『出来れば骨付きカルビもありな店』という注文。福富町辺りにありそうな感じだが、お客様をお連れするような店があるとも思えず、東京の老舗くらいしか思い浮かばんと返事をしたものの、興味が沸いたので韓国料理・参鶏湯等をキーワードにネットを潜って行き着いたのが当店。『先ずは試し』と予約して、土曜の夕方にお邪魔することとした。藤沢駅南口にも姉妹店があるようだが、こちらのメニューには参鶏湯の文字が見当たらず、Taxiを使っての本店訪問と相成った。土曜6時過ぎの藤沢橋は流石に混んでいて駅北口から1200円くらい掛ったが、渋滞中に『つかさ』なる『屋台が高級に見えるテント張り、椅子はビールケースの焼き鳥屋』発見の収穫あり。運転手さんによれば結構古くからある老夫婦が営む繁盛店だそうで『お客さんを運んだこともある』との由。『機会あれば訪問してみよう』などと話していると、遊行寺坂上の当店が2階に鎮座する大きなマンションに到着した。メニュー看板など横目に専用エスカレータを上がり扉を開けると、ホテルのフロントのような受付が目に飛び込んでくるが係りの方は不在だ。店内に一歩踏み出し店員さんに予約客である旨伝えると3名分の韓国箸がセットされている入り口付近のテーブルに案内された。店のロゴといい、ここまでのアプローチといい、まるでソウルの高級店にいるような錯覚に陥る。先ずは生ビールをお願いし、食事の選定に入る。予め奥さんには訪問趣旨を説明し、焼肉主体でない旨了解を得ておいた。『参鶏湯』『ポッサムキムチ』『海鮮パジョン』はすんなり決まる。が、『ケジャン』は蟹の入荷無しとのことで断念。『骨付きカルビ』は設定無しで、予め頼んでも用意は難しいとの回答を得て少しヘコム。『テーブルに用意されている挟みは何に使うのか?』と問うと『肉の切り分けなどに使う』とのことなので、骨を外した似たような代物はあるようだが、面倒くさい客と思われるのも嫌なので追求はここまでにした。取り急ぎ肉好きの奥さんにも配慮して『黒毛和牛上タン塩』を追加して第一次オーダーは終了。良く冷えたビールを飲んでいると最初にタン塩が供された。炭でもないガスでもない火は、初訪問者には加減が難しい。オマケに煙も殆ど出ないので、焼け具合が判らずチョット生で食した失敗もあったが、コツを掴んだ二枚目からは大変美味しくいただけた。ビールも飲み干し、日本酒や銘柄焼酎も用意されている豊富なメニューから本日は韓国気分を盛り上げるためにもマッコリを大でお願いする。壷に入ったマッコリを湯飲みのような茶碗に杓文字で掬い入れると思惑通り気分はソウル。아르바이트が切り分けてくれた『ポッサムキムチ』は辛さは殆ど感じない上品な品。『海鮮パジョン』は一口目が油ポク感じたものの、3人では少し多いかなと思われたボリュームをあっという間に完食という美味しさであったが、結構お腹は膨らんだ。肝心の『参鶏湯』をハーフにしておいて大正解。この参鶏湯、『本国土俗村で戴いたお味と然程変らない』と言ったら褒めすぎか?奥さんは栗を引き当て大喜びでこちらも及第点。サービスのアイスウーロン茶をチェイサーにマッコリを美味しく戴いていると、『チョレギサラダ』『銘柄牛カルビ』のリクエストが奥さんよりなされた。『ユッケもお願いしたら』と水を向けると店員さんにその有無を確認して注文に至る。肉もサラダも美味しくいただけたのだが『ユッケ』はタレが甘く且つサイコロ状の品で私と娘の口には若干合わず、残った半分くらいの始末を奥さんにお願いすると『私だけ具合が悪くなったら嫌だ』と宣うのを苦笑しながら娘となだめる。まだ余裕があるので『サムギョップサル』のお試し版を追加。網焼きで味わう豚バラは大変美味しかったのだが、ニンニクスライスも供されず本場物とは大違い。〆に牛テールのクッパを辛口でいただく。可也濃厚なスープは美味しいが、その所為なのか?ご飯がモッチモッチなのは想定外。好みはもう少しサラサラ米。辛さも殆ど感じなかったので次回は激辛でご飯は別にいただこうと決めた。サービスで食後のアイスやコーヒをいただいているとお隣のテーブルの辛そうな饂飩とご飯が目に入る。饂飩も旨そうなのだが、注目したのはご飯が茶碗で供されていたこと。饂飩なので確かに茶碗の方が食べやすいとは思うが、折角ならば韓国式の蓋付き金属容器で供される図を見たかった。会計はこれだけ食して一人5千円チョット。当家としては今回食せ無かった品々に狙い定めて再チャレンジあり。娘の目的に適うかは相手次第かな?もしお邪魔するなら、全体的に辛さ控えめなので、その点は要注意。
9位
1回
2011/08訪問 2011/08/22
美味しいラーメンを堪能し、ナビに頼って今宵の宿を目指すが、指示通りでは道幅狭すぎて通行不能に陥る。他所様の駐車場でUターンし、先ほどチラット見えた宿名看板箇所を曲がり少し行くと、ナビは左に大きく曲がる指示。半信半疑でハンドルを切ろうとすると再度宿名の看板が目に入った。これで間違いなしと進むが、周りは普通の住宅が並ぶ小道。やがて小さな川を渡り、指示通りにハンドルを右に切ると木々に囲まれた小道に入り、暫く進むと当館の玄関に無事到着した。飯坂温泉旅館街とは離れた場所に位置する『一軒宿』なのだとここで初めて知る。荷物と車を出迎えの番頭さんにお願いし、女中さんに案内されたロビーで抹茶のサービスを受けながらチェックイン。ややあって案内された部屋は、義母に気を使っていただき大浴場傍の露天風呂の付いた良い部屋だった。和室好きの義母は『天井は貼りだが凝った設えだ。』と満足なご様子。私は挨拶に見えた女中さんにお願いした氷でウィスキーを呷り、一汗流すため大浴場へ向かった。広い浴室の内湯にも露天にも他客はおらず貸切状態。燦々と降り注ぐ太陽の下、少しは放射能も浴びているのかな?などと不謹慎なことを思ったりしながら贅沢な入浴を繰り返した後、冷たい物の用意があるというラウンジに顔を出す。14~5人が座れるソファーのテーブルに用意された飲み物は、ジュースとミルクで残念な事にアルコール飲料は無し。致し方なく部屋に戻り、冷蔵庫の瓶ビールを戴いた。そうこうしている内に夕食の用意が始まる。昼が遅かったので夕食開始を7時にお願いしていたが、既に6時40分外も暗くなってきた。箸染めから始まる13品の献立を持込の久保田の碧壽と土佐鶴の生貯で戴く。どれもこれも旨い。特に印象に残った物は『トマト餡を纏った鮎のうるか焼き』紀州産だという鮎は、その昔伊豆の蓮台寺で食した天然の稚鮎以来久し振りに『鮎が美味しい』と思った逸品だった。吟味特選と銘打たれた宿一押しの品は『利尻黄金雲丹と水茄子と冬瓜使った料理』出汁の効いたジュレと共に食す品で、これでもかと思うほど贅沢にタップリの雲丹が供された。この頃には酒も可也進み良い気持ちで雲丹も少し玩び状態。半分ほど肴として戴き、残りを水茄子や冬瓜と一緒にお行儀悪く〆のご飯にぶっ掛けてみたら、これが『酔いが醒めるほどの旨さ』だった。『満足、満腹だな』とマッタリした状態で水菓子として供された桃は、甘味が殆どなく大根のような食感で大減点。フルーツ王国福島の冠が泣くことになるので、特にこれだけは外してならぬ一品だと思う。終わりよければナントヤラなのに・・・。その旨はしっかり女中さんにお伝えさせていただいた。その後入浴、夜食のお握りなども戴き快眠後、朝風呂もしっかり浴びて部屋に戻ると朝食の用意が始まる。朝も勿論懐石仕立てなので、風呂上りのビールと国権を一合お願いして美味しく戴いた。出立までまた一風呂浴びてノンビリさせていただき、丁寧な見送りを受け宿を後にしたのだが、さてさて音に聞こえた当館の感想は・・・・・・・・・全てが桃に集約されるかな・・・・・・・・・
10位
1回
2011/07訪問 2011/07/19
娘が富士登山から戻ってきた休日の夕食、前回ブラリ寄ったら満席でお邪魔できなかった当店へ、夜の部開始の1時間前に予約を入れて訪問した。以前歯科医院だったと言う建物の診察室だったと思われるフロアーは、ほぼ全てのテーブルにセッティングが為されていたので、予約が取れたのは僥倖だったのかも知れない。ご年配のお母様に案内された席につき、渡されたメニューを眺める。半オープンなキッチンの壁には本日のお勧め料理とワインが掲示されていた。先ずは飲み物だが、皆アペリティフは必要無しとのことなので白ワインをお願いすることにした。先のお母様に本日お勧めのワインの夫々の違いをを聞いてみると『シェフを呼んでくる』と仰る。シェフは厨房で先客の料理作りに忙しそうで若干の不安が過ぎる。シェフが登場するまでに料理を選択しようとするが、メニューには呪文のような言葉が並んでいることとシェフの負担も考えアラカルトでのオーダーは断念し、お任せコース3,500円をお願いすることにした。それを奥様に告げると『ワインはお料理に合った物が宜しいわね』と仰る。『そんな素晴しいことが出来るのであればそうしてください。』とお願いすると暫しでシェフ登場。やはりお母様の提案は難しそうで、好みの味を問われる。私の答えはいつも同じ『値段の張らない辛口系のすっきりタイプ』するとシェフは『2本ほどお持ちします』と仰り、『柑橘風味のシャルドネ』と『よりすっきり系の○○』(○○は品種を忘れた)をプレゼンされた。私のチョイスはよりすっきり系4,000円也(因みにシャルドネは3,000円)。シェフがワインの口を開け、自らテイスティングされて各自のグラスにタップリ注いでくれたのにはチョットビックリ。(マー自分でテイスティングしたところでNo.とは言わないので、シェフがチェックしてくれたほうが助かるには助かるのだが・・・)残ったワインは一旦冷蔵庫に仕舞われた。細かいことは気にせずワインを一口戴くと本当にすっきり系軽い辛口で旨い。娘も『良い香り』と高評価。一安心したところで供された一品目は自家製オイルサーディン。パプリカのマリネが付け合せにオレンジが一口添えられている。鰯はキラキラ輝いていて油も少なめで旨い。お母様にお願いしてワインのお代わりを皆で貰うと一本空いた。驚愕の6杯摂り!(私が注いでもそうなるか?少々疑問)次にシェフ自ら運ばれ説明のあった豚耳や豚足など豚の各部位を使ったテリーヌを戴く。ついでに同じワインをもう1本頼むとやはりシェフの味見後供された。シーフードのリングイネ、ペンネラグーソースが続く。パスタは自家製なのだろうか?モチットして大変旨い。パンもお代わり自由の雰囲気で供されたが、廻りの皮のカリカリ感に乏しい残念な品。『近所のスーパで売っているパスコのような感じ』と言ったら言いすぎか・・・・ここらで結構お腹が膨れてきた。お任せなので次に何が供されるのか説明が無いので困っていると『豚のロースト』がバルサミコソースでリーフレタスの付け合せと共に供された。ボトルからの6杯摂りよりやや少ない量の赤のグラスワインを友に戴いたお肉は、結構カリカリに焼かれて香ばしくて旨い。脂身も甘味があって旨い。が、娘は一口戴いてお腹一杯ギブアップ。残りをどうにか私と奥さんで戴いて何とか完食。これ以上料理が出ると困るので、この後の確認をすると一口サイズのテラミスとコーヒーとのことで一同大安心。コーヒーも入れ立てで大変美味しく戴いた。お勘定は税サービス料込みの明朗会計。大変満足なデイナーとなった。お任せは5,000円、7,000円とあるが、『違いは鰯が鯛になったり、豚が牛になったりするだけなのだろうか?』それを究明する前に『次回はランチにワイン1本を楽しんでみよう』と思い店を後にした。パンが本日偶々パスコ風味だったのか?ホールは偶々お母様一人だけだったのか?(ブラリ寄った満席時にはお若い方もいたような・・)その辺の疑問はその時までの宿題としよう。
銀閣寺から京大構内を抜け宿に戻り、一風呂浴びて先斗町を目指す。四条から上り『三条に近い左側の路地の奥』ということを頭に入れて先斗町夜の風情を楽しみながらブラブラ歩いていくと、『釜飯し、一品料理』と描かれた当店名を奥さんが発見した。今回の京都旅行に際し、当店を紹介いただいた常連さんの名前を出して予約にこぎつけた店である。粗相があってはならず、緊張して引き戸を開け名を名乗り、コートなどをお預かりいただき指定されたカウンター席に着くと、早速大将から『○○さんにはいつも御贔屓に云々』の挨拶を受け『いえ、こちらこそ無理を申しまして云々』の仁義を切って儀式は終了した。ビールとウィスキーは風呂上りに済ませていたので日本酒から始める事にした。示されたメニューに日本酒の銘柄は4種類くらいと少ない。お尋ねすれば『他の銘柄もあるのかな?』と思ったが、ここは大人しくメニューから菊正宗をお願いした。確か1合千円くらいだったと思うが、スッキリした辛口で大変美味しくいただいた。先付けの焼茄子の胡麻だれを戴いてると大将から本日のお勧めと思われる料理の口上が京都弁であり、どれもこれも美味しそうに思え何を頼んで良いか迷うだけなので、筧利夫を甘くしたようなイケメンの板さんに『お任せでお願いしたい』旨を伝えると『量は変らないが7,500円、8,500円、10,000円のコースがある』と告げられた。量が変らないのに7,500円をお願いするのは『ショボイ』と思われそうだし、初訪問で10,000円というのは『いかにも見えっ張りな気がする』ので8,500円でお願いする。これが大将に告げられ料理の提供が開始される。先ずはお造り。タイ・タコ・ヨコワ・シマアジだったと思が、各4切れ位が綺麗に盛り込まれていた。関西では『メジマグロをヨコワと言う』のは知っていたが、驚いた事に京都では『カツオ』と言ったりもするほど身近な食材のようだ。関東では本鮪が珍重されているので、私はメジを密かに馬鹿にしていた。だがこのヨコワ、私の既成概念を吹き飛ばす『大変脂の載った美味しい一品』であった。その後大将からの『松葉蟹は大丈夫ですか?』との問いがあり、『大好物』である旨お伝えすると、ややあって蟹味噌と身が供された。蟹味噌は大変上品な品で酒には最高な一品。蟹の身は箸で簡単に殻から外すことができ、何も付けずに戴くと甘味が口イッパイに広がる。蟹用のスプーンと蟹酢は全く必要無しと言うより、蟹酢を折角供してくれた大将には申し訳無いが、何もつけずに食した方が美味しい品であった。その後覚えている限りでは鴨まんじゅう、鴨ロース、太刀魚の天ぷら、出し巻き玉子など様々な品が供された。(蕪蒸しや焼き魚も食したと思うが・・・)何を食べても美味しくお酒も進む。まさかフライがコースに入っているとも思わず、『牡蠣フライも美味しそうだな』とつぶやくと,板さんがすかさず、『大丈夫です。牡蠣フライもコースに入っております。』と教えてくれた。牡蠣フライのみならず帆立フライもついており、流石に奥さんはギブアップ。〆に土鍋で炊いた炊き込みご飯が出てきて,流石に私も軽く一杯いただいてギブアップ。(食べきれない分はおむすびにしてくれ翌朝フライと一緒にいただいたのだが、冷えていても大変美味しく充分満足のいく朝食となった。)デザートの黒糖のアイスクリームを奥さんも私も美味しくいただき、大満足でお店を出ると女将さんの丁寧な挨拶が待っていた。この値段でここまで美味しい料理がいただけ、気持ちよく過ごせるとは、『イヤー京都って本当に素晴しいな!』と思わせてくれた名店であった。関東特に東京で日本料理屋に行くのが馬鹿馬鹿しくなった。『是非また寄せていただこう。』
こんな素晴らしい店が身近にある京都の方が羨ましい。とレビューを書いていて今再び思った次第。