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レノボ Legion Tower 7i Gen 8の実機レビュー
CPU | Core i9-13900K(F) Core i7-13700K(F) |
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GPU | GeForce RTX 4080 GeForce RTX 4070 Ti GeForce RTX 3080 |
メモリ | 16GB ~ 64GB DDR5-5600 |
ストレージ | 512GB ~ 2TB PCIe Gen4 SSD |
2nd ストレージ |
2TB HDD |
電源 | 850W |
価格[税込] | 43万円台~ |
Legion Tower 7i Gen 8は、最大でGeForce RTX 4080が搭載可能なレノボのハイエンドゲーミングPCです。
通気性の良いメッシュパネルに、内部の見えるシースルーサイドパネル、RGBイルミネーションが筐体を彩り、冷却性とデザイン性に優れたケースです。
360mm大型ラジエーターの水冷式CPUクーラーを搭載可能で、高負荷な環境でも長時間の安定した動作が可能です。
特に高解像度、高フレームレートで長時間ゲームをプレイするコアゲーマーにおすすめのゲーミングPCです。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i7-13700KF、GeForce RTX 4080 16GB、メモリ32GB、2TB PCIe SSD+2TB HDD
目次
お忙しい方は、「特徴」のみお読みください。
Legion Tower 7i Gen 8の特徴
細部までこだわった筐体デザイン
レノボの Legion Tower 7i Gen 8は、ストームグレーの筐体に、内部の見える強化ガラスサイドパネル、筐体を彩るRGBイルミネーションと、ゲーマーの心を惹くスタイリッシュな外観が特徴的です。
筐体サイズはやや大きめのミドルタワーサイズで、鎖帷子のような3Dメッシュのフロントパネル、スリットラインが美しいトップパネルなど、細部までこだわったデザインも秀逸です。
RGBライティングの設定は、プリインストールされている「Lenovo Vantage」から設定ができます。ケース内部のLEDストリップ、リアファン、CPUクーラー、フロントパネルの3連ファン、トップパネルの2連ファン、フロントパネルのロゴと、点灯箇所は6つのゾーンで分けられています。演出効果や明るさ、速度に到るまで、細かい調整が可能です。筐体背面にはLEDを一括でオフにする物理ボタンも設けているので便利です。
最大でCore i9-13900KF+RTX 4080の高い性能
Legion Tower 7i Gen 8は、CPUには最新のインテル第13世代のCore i7、Core i9を搭載し、グラフィックスには最新世代のRTX 4080、4070 Ti、および前世代のRTX 3080が搭載可能となっています。
RTX 3080搭載したスタンダードモデルと、RTX 4070 Tiを搭載したアドバンスモデルは、CPUやメモリ容量、ストレージ、CPUクーラーなどがある程度カスタマイズが可能です。
いずれも高い性能のグラフィックスですが、個人的にはフレーム生成技術やNVENC2基による高速エンコードに対応し、さらにRTX 4080よりも消費電力が抑えられたGeForce RTX 4070 Tiを搭載したモデルがおすすめです。
GeForce RTX 4080 | GeForce RTX 4070 Ti | GeForce RTX 3080 | |
CUDAコア数 | 9728 | 7680 | 8704 |
Tensorコア数 | 304(第4世代) | 240(第4世代) | 272(第3世代) |
RTコア数 | 76(第3世代) | 60(第3世代) | 68(第2世代) |
定格クロック | 2.21 GHz | 2.31 GHz | 1.44 GHz |
ブーストクロック | 2.51 GHz | 2.61 GHz | 1.71 GHz |
メモリタイプ | GDDR6X | ||
メモリ容量 | 16GB | 12GB | 10GB |
DLSS | 3 | 2 | |
NVENC | 第8世代×2 | 第7世代 | |
TDP | 320W | 285W | 320W |
優れた冷却性能
これほどの高性能パーツを搭載していると、ケース自体の冷却性能も問われますが、フロントとトップには通気性の良いメッシュパネルを採用しており、フロントには3連のファンを搭載。CPUクーラーには360mmの大型の水冷クーラーを採用しています。
ゲームや、動画編集、3DCG制作など、長時間に及ぶ高負荷環境でも、安定した動作が可能な優れた冷却性能のケースです。
ストレージの拡張性も十分
レノボのゲーミングPCは、これまで拡張性の乏しいケースが多い印象でしたが、新しくなったLegion Tower 7i Gen 8では、右側面内部に2.5インチSSDを2台、3.5インチHDD2台、さらにマザーボードには空きのM.2スロットが1つあり、拡張性も十分です。
パフォーマンスのチェック
Legion Tower 7i Gen 8のパフォーマンスをチェックします。
サーマル・モード
本製品は、プリインストールされている「Lenovo Vantage」から、サーマルモードの変更が可能です。
今回、CPUにはインテル第13世代「Core i7-13700KF」を搭載しています。このCPUの仕様上のプロセッサー・ベース・パワー(PBP)は125Wです。
本製品のPBPを確認したところ、バランス・モードでは210W、パフォーマンス・モードだと260Wと、かなり高めに設定されていました。
ここでは、デフォルトの「バランス・モード」と、最も高い性能が出る「パフォーマンス・モード」で、各種ベンチマークを計測します。
なお、「Lenovo Vantage」からはCPUとGPUのオーバークロックも可能です。CPUではコアごとにクロックアップができ、GPUとVRAMは最大150MHzまでクロックアップが可能です。今回はオーバークロックはしていません。
CPU
まずは、CINEBENCH R23の結果を掲載します。
マルチコア、シングルコアともに、Core i9-13900Kに次ぐ非常に高いスコアが出ています。
また、パフォーマンス・モードにすることで、スコアがやや上がっていますが、そこまで大きな差ではありません。また、後述しますが、パフォーマンス・モードにすると、CPU温度が高めになるので、通常はバランス・モードのままでいいと思います。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
グラフィックス
グラフィックカードは、GeForce RTX 4080、RTX 4070 Ti、RTX 3080のいずれかを搭載しており、今回は最も性能高いGeForce RTX 4080です。ベンチマークスコアは次の通りです。GeForce RTX 40シリーズのハイエンドクラスとして順当なスコアが出ています。4K解像度やレイトレーシングでも快適にプレイできる非常に高い性能です。
~ グラフィックス(ゲーム向け)性能の評価 ~
~ グラフィックス(ゲーム向け)性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
GPU-Zで確認したGeForce RTX 4080の情報は次の通りです。
メモリ
メモリは、DDR5-5600にしては、思ったほどでもありませんでしたが、それでも十分広い帯域幅です。
~メモリ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のデスクトップPCで計測した実測値で、理論的な最大値ではありません
ストレージ
ストレージにはPCIe Gen4 SSDを搭載しており高速です。容量も2TBあるので十分です。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ゲームベンチマーク
ゲームに付属のベンチマーク機能のスコア、または実際にゲームをプレイし、Afterburnerで計測したフレームレートを掲載します。サーマル・モードは「バランス・モード」で計測しています。
本製品は、新世代GeForce RTX 40シリーズの中でもハイエンドクラスのGeForce RTX 4080を搭載しているので、負荷の重いゲームでも高いフレームレートで快適にプレイができます。最新のタイトルでも、4K解像度、60 fps以上で快適に動作する性能です。さらに、RTX 40シリーズの目玉機能であるフレーム生成を有効にすることで飛躍的にフレームレートを伸ばすこともできます。
重い部類のゲーム
ホグワーツ・レガシー(DX12)
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品質 | 解像度 | 平均 fps |
最高設定 | 1920x1080 | 117 fps |
2560x1440 | 105 fps | |
3840x2160 | 61 fps(92 fps) |
重い部類のゲーム
FORSPOKEN(DX12)
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品質 | 解像度 | 平均 fps |
最高設定 | 1920x1080 | 145 fps |
2560x1440 | 108 fps | |
3840x2160 | 107 fps |
重い部類のゲーム
サイバーパンク2077(DX12)(Patch 1.61)
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品質 | 解像度 | 平均 fps |
ウルトラ | 1920x1080 | 173 fps |
2560x1440 | 139 fps | |
3840x2160 | 67 fps(91 fps) |
重い部類のゲーム
Forza Horizon 5(DX12)
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品質 | 解像度 | 平均 fps |
エクストリーム | 1920x1080 | 210 fps |
2560x1440 | 182 fps | |
3840x2160 | 132 fps |
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15(DX11)
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品質 | 解像度 | 平均 fps |
高品質 | 1920x1080 | 209 fps |
2560x1440 | 184 fps | |
3840x2160 | 113 fps |
中程度の重さのゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー(DX12)
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品質 | 解像度 | 平均 fps |
最高 | 1920x1080 | 241 fps |
2560x1440 | 219 fps | |
3840x2160 | 129 fps |
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 暁月のフィナーレ(DX11)
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品質 | 解像度 | 平均 fps |
最高 | 1920x1080 | 249 fps |
2560x1440 | 217 fps | |
3840x2160 | 139 fps |
レイトレーシングとDLSS3のベンチマーク
「Ada Lovelace」アーキテクチャを採用したGeForce RTX 40シリーズでは、対応したタイトルであれば、DLSS機能や「フレーム生成」を有効にすることで、飛躍的にフレームレートを向上させることが可能です。
下記の表は、レイトレーシングをオンにし、DLSSオフ、DLSS2、DLSS3の3つの平均フレームレートを掲載したものです。負荷の高いレイトレーシング設定でも、DLSSとフレーム生成機能を有効にすることで、3840x2160の高解像度でも60 fps以上でプレイすることが可能です。
重い部類のゲーム
ホグワーツ・レガシー(DX12)
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解像度 | 品質 | DLSS:オフ | DLSS2 | DLSS3 |
2560x1440 | レイトレ:最高 | 66 fps | 84 fps | 149 fps |
3840x2160 | 39 fps | 71 fps | 100 fps |
※DLSS3は「フレーム生成」を有効
重い部類のゲーム
サイバーパンク2077(DX12)
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解像度 | 品質 | DLSS:オフ | DLSS2 | DLSS3 |
2560x1440 | レイトレ:ウルトラ | 59 fps | 114 fps | 180 fps |
3840x2160 | 28 fps | 64 fps | 95 fps |
※DLSS3は「フレーム生成」を有効
その他のゲームのベンチマーク
上に掲載した以外のゲームのフレームレートについては、下を参考にしてください。
クリエイターソフトの処理時間
各クリエイターソフトの処理速度を計測したときの結果を掲載します。なお、いずれも「バランス・モード」で計測しています。
CPUとGPU性能が高く、SSDの速度も速いので、速い書き出し時間です。VRAM容量も16GBと多いので、動画編集作業自体も快適に行うことができます。
※ グラフィックスは全てデスクトップPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ソフトウェアエンコードも非常に速いです。
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
DaVinci Resolove Studio 18による書き出し時間では、NVENCによるデュアルエンコードにより、非常に高速です。AV1エンコードにも対応しています。
Lightroomの書き出しも非常に高速です。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
パーツの温度のチェック
高い負荷をかけたときの各パーツの温度をチェックします。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。なお、室温は26℃付近で計測しています。
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU電力およびCPU温度の推移を確認します。
バランス・モード(PL1=210W)の時は、CPU電力は210W前後で推移し、CPU温度は80℃付近で問題ない温度です。
パフォーマンス・モード(PL1=260W)の時は、CPU電力は260W前後で推移し、CPU温度は93℃付近で高めの温度です。
基本的には、デフォルトのバランス・モードで使うといいと思います。
- バランス・モード
- パフォーマンス・モード
ゲーム時のCPU、GPU温度
続いて、ファイナルファンタジー15のゲームベンチマーク実行中のCPUおよびGPU温度を計測しました。
ゲームの場合、先ほどのPrime95ほどCPUに負荷はかからないので、どちらのモードもCPU、GPU温度ともに問題ない温度です。むしろ、ハイエンドなパーツを搭載しているにしては低めの温度を維持できており、冷却性能は優秀です。長時間のゲームや高負荷作業でも問題ないでしょう。
- バランス・モード
- パフォーマンス・モード
静音性のチェック
本機の動作音(静音性)のチェックです。もし動作音が大きいと、ゲームや作業に集中しづらいです。
フロントパネルは通気性の良いメッシュパネルで、360mmの大型ラジエーターと120mmの3連ファンを搭載しているにしては、アイドル時は33dBと低めの騒音値です。エンコード中、ゲーム中も50dBを超えることなく、ハイエンド構成にしては低めの騒音値です。ゲームも作業も集中して行えると思います。
当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。ケースのLEDはオンで計測しています。
今回、Core i7-13700KF+GeForce RTX 4080に、LEDも搭載しているので、消費電力は高いです。
外観のチェック
外観のチェックです。
ストームグレーの筐体に、シースルーのサイドパネル、RGBイルミネーションが映えるかっこいデザインです。特に鎖帷子の様な3Dメッシュもトップパネルが一際目を引きます。
トップパネルはスリットライン状に通気孔があり、手前側には、小物を置くためのトレーがあります。USBメモリなどを置くときに便利でしょう。
トップパネルのインターフェースには、左からUSB 3.2 Gen1 x 2、USB 2.0 x 2からヘッドホン端子、マイク端子です。USB端子が多く、便利です。
左側面の強化ガラスはややスモークがかっています。背面のネジを取ることで、パネルをはずすことができます。
右側面はフラットです。こちらも背面のネジを取ることで、パネルをはずすことができます。
正面と背面です。背面にはLEDを一括オフにできる物理スイッチがあります。
底面です。電源部分の防塵フィルターは固定ネジをはずすことで引き出すことができます。
ケース内部のチェック
右側面のケース内部です。ケーブル類はこちらで綺麗にまとめられています。2.5インチSSDを2台、3.5インチHDDを2台搭載できるスペースがあります。
搭載されていた電源ユニットの容量は850Wです。モジュラー式です。
左側面のケース内部です。裏面配線により、内部はすっきりしています。ラジエーター部分を隠すパネルは2ヶ所のネジをはずすことで簡単に取り外すことができます。
CPUクーラーは簡易水冷式です。360mmの大型ラジエーターは前面に設置されています。
トップにも120mmのファンが2基搭載されています。
メモリにはSAMSUNG製のDDR5-5600を搭載しています。
グラフィックボードのメーカーは不明です。グラフィックボードの重さで傾かないように、固定されています。グラフィックカードもRGBイルミネーションに対応しています。
グラフィックカードの上下にM.2スロットがあります。
斜めから見た写真はご覧のようになっています。
まとめ
以上が、Legion Tower 7i Gen 8のレビューです。
最大でCore i9-13900K+GeForce RTX 4080というハイエンドな構成が可能なゲーミングPCです。
内部の見えるシースルーサイドパネル、3Dメッシュのフロントパネル、スリットラインのトップパネル、RGBイルミネーションが筐体を彩り、ゲーミングPCらしいスタイリッシュなデザインのケースです。
高性能なパーツを搭載していても、通気性の良いメッシュ構造と360mmの大型ラジエーターを搭載したCPUクーラーにより、冷却性能にも優れています。
ゲーム性能では、負荷の重い高解像度、レイトレーシング環境でも高いフレームレートで快適にプレイが可能です。GeForce RTX 40シリーズならフレーム生成技術により、フレームレートの底上げも可能です。
「Lenovo Vantage」からCPUとGPUのオーバークロックも可能で、高パフォーマンスを要する方でも満足のいくゲーミングPCでしょう。
冷却性とデザイン性に優れたレノボのフラッグシップモデル
レノボ Legion Tower 7i Gen 8
特徴
- 最大でCore i9-13900Kを搭載
- 最大でGeForce RTX 4080を搭載
- デザインと冷却性に優れたケース
こんなあなたに
- 高解像度で長時間ゲームするコアゲーマー
- 高いフレームレートを維持してゲームをしたい競技勢
- ゲームをしつつ、動画編集や配信も行う方
三度の飯よりゲームが好き。 面白ければどんなゲームもプレイするが、中でも好きなジャンルは2D格闘ゲーム。2009年からSteamでPCゲーム漁りを始めてからゲーミングPCに興味を持ち、ライター業を経てレビュアーへ。これまで300台以上のゲーミングPCを実機でテストし、レビュー記事を執筆。おじいちゃんになってもPCゲーマーでありたい。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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