夫や内縁関係の男性計4人に青酸化合物を飲ませ、うち3人を殺害した殺人と強盗殺人未遂の罪で死刑が確定し、昨年12月に死亡した筧(かけひ)千佐子元死刑囚(78)について、大阪高裁(村越一浩裁判長)が死亡を理由に再審請求の手続きを終了したことが6日、高裁への取材で分かった。5日付。

 筧元死刑囚は昨年12月26日午前、収容されていた大阪拘置所(大阪市)から救急搬送され、病院で死亡が確認された。拘置所によると、解剖の結果、死因は病死で、急性大動脈解離により血液がたまって心臓が圧迫される「心タンポナーデ」だったと判明した。遺骨は遺族に引き渡されたという。

 確定判決によると、筧元死刑囚は2007〜13年、遺産取得を目的に京都府向日市の夫勇夫さん=当時(75)=や、内縁関係だった大阪府貝塚市の本田正徳さん=同(71)=と兵庫県伊丹市の日置稔さん=同(75)=に青酸入りカプセルを飲ませて殺害し、4千万円の返済を免れる目的で神戸市の知人男性を殺害しようとした。

 22年9月、日置さんの死因が病死だったとして京都地裁に再審請求したが、昨年3月に棄却された。即時抗告し、大阪高裁で審理が続いていた。