【ソウル共同】江戸時代に朝鮮王朝が日本に派遣した外交使節団「朝鮮通信使」の道のりをたどる「21世紀の朝鮮通信使　友情ウオーク」の日韓の参加者らが9日、ソウルから東京へ向けて出発した。イベントは2007年から隔年で行ってきたが、参加者の高齢化などを受け10回目の今回が最後となる。

　朝鮮通信使は、江戸時代の1607～1811年に12回派遣された。日本側の主管団体の遠藤靖夫会長（82）＝さいたま市緑区＝は「あと2回残っているけれど、誰かが継いで12回を達成してほしい」と話した。

　一行は、朝鮮時代の王宮、景福宮で出発式を行った。途中で船やバス移動も交えつつ、徒歩での移動距離は千キロを超える。ゴールの東京・日比谷公園には4月30日に到着する予定。一部区間だけの参加者もおり、9日は約100人が歩いた。

　ソウルから博多まで参加予定の中沖愛子さん（57）＝愛知県一宮市＝は「（日韓は）植民地時代のことなど複雑な歴史があるが、一緒に歩いた仲間だという信頼関係を築きたい」と意気込んだ。