北朝鮮、中国景観づくりに対抗心 鴨緑江沿い家屋、高層住宅に一新

2025年04月14日 17時13分
【丹東共同】北朝鮮が、昨年7月に大規模な洪水が発生した北西部新義州周辺の景観づくりで中国への対抗心を示している。鴨緑江を挟んで対岸にある中国遼寧省丹東の高層ビル街と競うように、一時浸水した川沿いの老朽家屋を短期間で高層住宅に一新。14日も大勢の労働者たちが作業を続けていた。
北朝鮮の朴泰成首相は2月上旬、この地域で同国最大規模の温室農場の着工式を開いた際に「鴨緑江の対岸(中国側)に社会主義の真の姿を示す」と宣言。金正恩朝鮮労働党総書記が注力する地方振興政策の実現だけでなく、国境沿いの開発を巡り中国と張り合う姿勢を見せた。
新義州周辺に新たに整備された高層住宅は低層部分に商業施設や食堂、薬局、図書館がある。被災した子どもたちの学校も近くに新設された。付近で護岸の整備作業が続く中、労働者の周囲では銃を携えた軍人が歩き、高層住宅では夜も明かりがともされていた。
丹東は北朝鮮側の様子が肉眼で見え、鴨緑江では遊覧船が運航されるなど観光名所になっている。