デブリの試験的採取、2回目着手 福島第1原発2号機

2025年04月15日 11時00分
東京電力は15日、福島第1原発2号機で昨年11月に続き2回目となる溶融核燃料(デブリ)の試験的取り出しに着手した。前回と同じ、釣りざお式装置を格納容器内部に押し込む作業を数日かけて進める。その後、先端の爪形器具をつり下ろし、少量のデブリをつかむ計画。
格納容器内で器具をつり下ろす位置を前回よりも1~2メートル奥に変更し、3グラム以下のデブリの取り出しを目指す。障害物などがあり変更が難しいと判断した場合は、前回と同じ場所からの採取に切り替える。
東電は、昨年11月に事故後初めて、重さ約0.7グラム、長さ約9ミリの小石状のデブリを回収した。核燃料のウランや、燃料を覆っていた金属管の成分であるジルコニウムなどが含まれていることが確認されている。
デブリは1~3号機に推計880トンあり、取り出しは廃炉工程の最難関とされる。東電は成分や硬さなどを前回のデブリと比較することで、本格的な取り出しに向けた工法検討に生かしたい考え。
作業は完了まで12日程度かかる見通し。