インクジェットプリンターとは?レーザープリンターとの違いや特徴を解説
近年では、画像や資料、写真などはデータで共有することが主流になりつつあります。しかし、オフィスや家庭でプリンターを使用してプリントする機会はまだまだ多いのではないでしょうか。現在、プリンターは「インクジェットプリンター」と「レーザープリンター」の2種類が普及しています。
今回は、「インクジェットプリンター」と「レーザープリンター」のメリットとデメリットについてご紹介します。
下記画像の左がインクジェットプリンター、右がレーザープリンターになります。
これからプリンターの購入を考えている方は、インクジェットとレーザーの違いを知り、使用頻度や目的に適したプリンターを選ぶようにしましょう。
1.インクジェットプリンターについて
インクジェットプリンターとは、圧力や熱を加えて粒子化したインクを、直接用紙に吹きつけて印刷するプリンターです。
以下では、インクジェットプリンターのメリットとデメリットについてご紹介します。
1-1.メリット
解像度が高い
インクを直接吹きつけているため、レーザープリンターでは再現できないような繊細な印刷が可能です。
多色展開している、発色性の高い染料インク、または10色・12色使いの顔料インクを使用した印刷ができるため、色味の再現性が高く、写真印刷などに向いています。
家庭用のインクジェットプリンターであっても、写真印刷用の専用用紙との組み合わせで非常に品質が高く美しい写真の印刷が可能です。
本体サイズがコンパクト
一般的にインクジェットプリンターは、本体サイズがコンパクトです。
スペースを取らず場所を選ばないため、家庭での使用に向いているプリンターといえるでしょう。
消費電力が少ない
インクジェットプリンターは、動作時でも非常に少ない電力で印刷が可能です。
レーザープリンターと比べるとその差は歴然であり、圧倒的な省エネ効果が期待できます。
本体価格が安い
性能により値段には差がありますが、レーザープリンターと比べると安価です。製品によっては数1,000円で購入ができる場合があります。
1-2.デメリット
印刷スピードが遅い
インクジェットプリンターの印刷スピードはレーザープリンターよりも劣っています。これは、印刷をする際にヘッドを左右に動かしながら印刷するという構造のためです。
ただし、近年では技術革新が進み、ヘッドを左右に動かさずにスピーディーに印刷できるインクジェットプリンターも誕生しています。
インク交換・給紙の回数が頻繁
インクカートリッジ1セットで印刷できる枚数は、レーザープリンターと比べるとかなり少ないため、大量の枚数を印刷する場合は、頻繁にカートリッジを交換する必要があります。
またコンパクトである分、セットできる紙の枚数にも制限があるため、給紙の回数もおのずと増えてしまい、手間がかかってしまうでしょう。
インクが詰まりやすい・にじみやすい
液状のインクを使用しているため、使用する頻度が少ないとインクが固まり、詰まりを起こしてしまう場合があります。
また、普通紙に印刷すると色がにじんでしまう場合があるため、専用の光沢紙も必要です。
2.レーザープリンターについて
レーザープリンターとは、感光ドラムの表面にレーザーやLEDで画像を描き、トナーと呼ばれる粉を吹きつけ、熱と圧力、光を当てて紙に定着させることで印刷します。
以下では、レーザープリンターのメリットとデメリットについてご紹介します。
2-1.メリット
印刷のスピードが速い
ドラムに吹きつけたトナーを一気に紙に定着させるという印刷方式からも分かるように、レーザープリンターは印刷スピードが非常に速いです。
そのため、資料作成時などたくさんの文書を印刷することに向いています。
1枚当たりの印刷コストが安い
レーザープリンターは、インクジェットプリンターと比べると1枚当たりの印刷コストは約1.5倍安いです。
トナーの交換が少ない
レーザープリンターで使用するトナーは、インクジェットプリンターのインクに比べると約25倍多く印刷できます。
某メーカーが発表しているデータによると、インクジェットのインクカートリッジ1セットで約650枚の印刷ができるのに対し、レーザーのトナーでは約16,500枚の印刷ができるようです。
にじみづらい
インクではなく、トナーと呼ばれる色をつけるための粉を使用しているため、紙に色がにじみにくいという性質があります。
そのため、コピー機で複写した文字と見分けがつかないほど、きれいな文字を印刷することが可能です。
2-2.デメリット
本体・消耗品の価格が高い
価格はメーカーや性能によってさまざまですが、数万円程度はかかります。
また、インクジェットプリンターと比べると、消耗品の交換頻度は少なくて済みますが、価格は割高となってしまいます。
本体サイズが大きい
レーザープリンターは、光源から感光ドラムまでの構造が複雑であるため、本体サイズが大型になってしまいます。
そのため、購入、設置の際には十分なスペースを確保する必要があります。
解像度が低い
もともとは白黒のみのモノクロプリントが主流だったレーザープリンターも、最近では高画質化が進み、カラープリントも可能になりました。
しかし、レーザープリンターは、インクジェットプリンターに比べると解像度が低くなります。
3.インクジェットプリンターとレーザープリンターの違い
インクジェットプリンターとレーザープリンターの違いを表にしたのが下記になります。
インクジェットプリンター | レーザープリンター | |
消費電力 | 多い | 少ない |
サイズ | 家庭用は小さい機器が多い | 小型、大型様々 |
印刷方法 | 液体インクを紙に印刷 | 熱でトナーパウダーを印刷 |
得意な印刷 | カラー表現 | 見やすい文字 |
おすすめの使い方 | カラー表現が多い資料 | 文字中心の資料 |
その他 | 水が苦手 | 印刷後、蛍光マーカーの使用可 |
4.インクジェットプリンターが向いてる方
写真や絵をきれいに印刷したい場合は、インクジェットプリンターがおすすめです。
また、消費電力が少なく済む点や、コンパクトであることから、家庭向きのプリンターといえます。
例えば、プリンターの使用目的が、趣味で撮影した写真を印刷してアルバムを作成することや、証明書用の写真を印刷することである場合、インクジェットプリンターが向いています。
ただし、印刷速度が遅く、1枚当たりの印刷コストが高いことから、大量印刷の予定がある場合、インクジェットプリンターは不向きです。
5.レーザープリンターが向いている方
導入のコストを考えると、レーザープリンターは、インクジェットプリンターに比べると高価といえます。
しかし、レーザープリンターは初期費用とメンテナンスにコストがかかりますが、1枚当たりの印刷コストは抑えることが可能です。1枚当たりの印刷コストは抑
また、レーザープリンターは消費電力が大きい一方で、プリントスピードが速く、消耗品の交換にも手間がかからないため、効率的に印刷できます。
そのためレーザープリンターは、大量印刷の予定がある方や、文書の印刷をメインで行う方に向いています。
予算やスペースなどを考慮して選びましょう
今回は、インクジェットプリンターとレーザープリンターの違いやメリット・デメリットをご紹介しました。
どちらもそれぞれ対照的な得手不得手があるため、目的に応じたプリンター選びが重要だといえるでしょう。
プリンターを購入する際は、それぞれの特徴を知り、目的や使用頻度の他にも、予算・スペース・消費電力などを考慮した上で選んでくださいね。
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濱﨑 慎一(日本PCサービス株式会社 常務取締役 兼 NPO法人 IT整備士協会 理事)
2010年8月、日本PCサービス株式会社に入社。パソコン修理などデジタルトラブルを5年で4500件以上解決。その後、サポート人材育成など、事業責任者として、個人向けデジタルトラブル解決に8年半携わる。2019年より同社にて、法人向けサポートの取締役に就任。また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として業界活性化のため正しいデジタル知識の普及、スマートフォンなどの新しい整備士資格の構築に携わる。
保有資格 パソコン整備士検定 取得