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あなたのPCに合わせてゲームのグラフィックス設定を最適化。NVIDIA,新サービス「GeForce Experience」を発表
その名は「GeForce Experience」(以下,GFE)。NVIDIAの社長兼CEOであるJen-Hsun Huang氏はこれを「GeForce搭載PCを手に入れたら,すぐに,ワンクリックで,最良のゲーム体験ができるようにするもの」と位置づけているが,本稿ではその概要を説明してみたい。
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GeForce Experienceとは何なのか
この問題を解決し,「PCならではの性能を,ゲーム機の手軽さ」(Performance of PC,Simplicity of Console」で得られるようにしようというのが,GFEである。
Huang氏は,開発に5年の歳月を要したというGFEのシステムを「スーパーコンピュータ」と呼んでいたが,実態はいわゆるスパコンというより,「テストファーム」と呼ぶべきものになっているようだ。
GFEでは,全世界で数か所あるNVIDIAのデータセンターに,さまざまな組み合わせのPCが(10万台とまでは言わないまでも,少なくとも数千台以上)置かれる。また,それらを制御する管理するシステムが用意されており,新しいゲームタイトルが出たら,管理システムから,管理下にある膨大な数のPCそれぞれにおいて,すべてのグラフィックス設定で当該タイトルを実行できるようになっているのだという。
テスト結果が出揃ったら,管理システムは,テストしたPCごとに「最もフレームレートと画質のバランスが取れた設定」をプロファイルとして収集するようになっている。
ここまで説明すると,動作の仕組みにピンときた人も多いだろう。そう,エンドユーザーがGFEのクライアントソフトを手持ちのPC上で実行し,プレイしたいゲームタイトルを選ぶと,クライアントソフトはPCのGPUとCPU,OS,ドライババージョンをスキャンして,オンライン(≒NVIDIAのデータセンター)にある膨大なプロファイル群から,最も構成の近いPCのものを選び,それを「推奨設定」としてユーザーへ提示するのだ。
その推奨設定を選択すれば,実際にその設定で,グラフィックス設定ファイル(など)が上書きされる。そのためユーザーは,自分のPCでプレイしたいタイトルにとってベターなグラフィックス設定を適用できるというわけである。
GFEは,6月6日にβ版が登場する予定とのこと。現在のところ,βテスト開始時の具体的なタイトルは明らかになっていないが,「『5人中の4人』へグラフィックス設定の最適化効果をもたらす」という存在意義からすると,世界規模での大作や話題作,NVIDIA肝いりのタイトルがメインに取り扱われることになるのだと思われる。
なので,日本で局地的に流行しているようなタイトルがあったとして,それにGFEが対応するかどうか。するとして,発売からどれくらい経ったタイミングになるのかといったところはまだ分からない。このあたりは実際にβ版が登場するのを待つ必要があるはずである。
ただ,試みとして相当に面白いものであるのは確かだ。実際のテスト結果を基に,よりよいグラフィックス設定を勧めてくれて,選択すれば適用までしてくれるのだから,否定的になる理由は見当たらない。早期に日本語化が果たされ,日本でプレイヤーの多いタイトルに向けたプロファイル群が用意されることを楽しみに待ちたいところだ。また,できることなら,GFEで扱うタイトルのリクエストを受け付けてくれると,なおいいだろう。
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