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リアルタイムレイトレーシングで描かれるRuby。「Ruby Verite」ロングバージョンのムービーをUp
Ruby Veriteは,2008年6月17日の記事が4Gamerでは初出となるが,このときは非常に短いものだった。とにもかくにも,最新のムービーをご覧いただきたい。
映像自体をぱっと見て,リアルタイム3D映像だと思う人はほとんどいないのではないだろうか。ついにレンダリングもここまで来たかと,感慨を抱く人だっているかもしれない。自動車のボディはもちろん,建物のガラスも単なる平面ではなく,歪みのあるものになっており,全体として映り込みはリアルである。このあたりはレイトレーシングの得意分野だ。
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光源自体はトップライトとアンビエントのみと思われるが,ロボットメカの細い脚のほうは,薄くぼけていて,地面に近い部分の影は濃くなっている。レイトレーシングでは光源数は演算負荷と直接関連しており,単一の光源だとハードエッジの影しかできない。ソフトシャドウは苦手分野といえるわけだが,このぼけ具合は見事である。
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一方,映像制作部分に目を向けると,「これはひどい」と思わせる部分もある。基礎的なレンダリング部分でリアルな画像を作ってあるのだが,ポストエフェクトはえらく稚拙だ。
![]() 明らかにフォーカスを失っているが,遠景から近景までのどこにもフォーカスが移動した形跡がなく,ボケ方も均一。この時点でカメラのフォーカスをいじるのも不自然なら,絵も非常に不自然 |
![]() ピンが合ってないカメラの映像にあえて切り換える“マヌケなディレクター”を見事にシミュレート |
画面全体にフォーカスを失っている場面が多々あるが,これは情景からして,フォーカスを最近景に合せないとほぼありえない絵だ。近景になにもない場所で,突然そんな馬鹿げた操作を行うカメラマンをわざわざ再現していることになる。
このところ,少なくないGPUコストを使って,チープなビデオカメラや下手なカメラマンをシミュレートするような絵作りが流行ではある。「より高度な技術を駆使して,より稚拙な映像を作り出した」という意味では,まさに最先端といえるかもしれない。
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実際のところ,デプスオブフィールドによるフォーカス処理と全体のデフォーカスが別処理になっているようなのだが,これは別処理にする必要がないものであるのみならず,全体的なデフォーカス処理は全体への均一なガウスフィルタ処理が行われているようで,きわめて不自然な映像になっている。
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下手なカメラマンがよい影響を出している部分もある。パンやチルトなどの単純なカメラ移動でも軸が少しブレたりといった挙動が組み込まれており,アクションシーンではさらに大きくブレている。この部分に関しては,映像のリアリティを損なわず,わりとよい感じの仕上がりになっているといえるだろう。
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ただ,レイトレーシングという手法は,これまでのGPUの進化経路から大きく外れたもので,「GPUで想定された機能のほとんどを使わず,演算器とエフェクトでのみ使う」という用法となっている。もちろん,こういった使い方もあり得る方向性ではあるのだが,昨今のGPUは演算力強化がトレンドなのも事実で,今後,どちらが主流になるのか,ちょっと興味深いところだ。
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(C)2008 Advanced Micro Devices, Inc.
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