第二次世界大戦を地球規模で描いたヒストリカル戦略級ストラテジーシリーズ「Hearts of Iron」(邦題 ハーツ オブ アイアン)。日本でも非常に人気の高い同シリーズの最新作
「Hearts of Iron III」が発表されたのは,
2008年8月20日のこと。GC 2008の会場では,開発元のParadox Interactiveと提携し,ドイツ国内でパッケージの販売を行っているDeep Silverのブースで,プロモーションムービーが流れていただけだったが,本作のチーフディレクター,
Johan Andersson(ヨハン・アンデルソン)氏に話を聞くことができたので,その内容をお届けしたい。
さて,Hearts of Iron IIIでは,世界150か国から一つを選択し,1936〜1948年までの「激動の13年間」を,富国強兵や巧みな外交戦略などで生き抜いていくことになる。今回も
「史実により忠実であることこそが,このゲームの価値」(Andersson氏)として,ヒストリカルストラテジーらしさに重きが置かれるようだ。
もっとも,現在のステータスは「発売時期が発表されただけ」なので,まだまだ明らかになっていないことが多い。今後に向けて,Paradox Interactiveは故意に情報を伏せているのだろうが,それでも,Andersson氏の話とプレスリリースを総合するに,Hearts of Iron IIIが,下記の特徴を持つことは見えてきた。
- 世界は1万地域に分かれており,これは前作「Hearts of Iron II」の5倍に相当する
- 数千人分の実在した政治家や軍人が登場。政治や外交がより複雑になり,民主主義,ファシズム,共産主義などといった政治体系によって周辺国との相性も変化する
- 軍隊AIは洗練される。動員や予備兵といった仕組みが採用されたほか,急襲も可能に。また,多方面での同時的な戦闘にも対応する
- 新しい経済システムの追加。友好国から武器を購入することも可能に
- 亡命政府の概念を搭載。フランス亡命政府のようにレジスタンスの活動が行える
- 空襲阻止の目的において,制空権や制海権がこれまで以上に重要になる
- 技術システムのフレキシブルさが増し,カテゴリーは何百もに分かれる。また,有力国は独自の技術を保有する
先ほど述べたとおり,Deep Silverのブースにあったのはプロモーションムービーだけで,実際のゲームシーンがどのように描かれるのかは何ともいえない。ただ,ムービーを見るに,海には船が,陸地には戦闘機があるマップ画面を確認できたことと,戦艦や歩兵などといったユニットが,ムービー内でワイヤーフレームにテクスチャが貼られながら“肉付け”されていくシーンがあったのは,特筆しておくべきだろう。