【7月19日 AFP】内部告発サイトのウィキリークス(WikiLeaks)に膨大な量の米軍機密情報を漏えいした罪に問われているブラッドリー・マニング(Bradley Manning)陸軍上等兵(25)の軍法会議で、判事は18日、最も罪の重い「敵ほう助罪」の訴因取り下げを求めていた被告側の申し立てを棄却した。

 先に被告側は、敵ほう助罪と、イラク派遣中に政府のコンピューター使用に関する規則に違反したとする2つの訴因について、取り下げを求める申し立てを行っていた。判事はこれらの訴因について、この裁判で審理するのに十分な証拠を検察側が提示しているとして、この申し立てを棄却した。

 被告側のデービッド・クームス(David Coombs)弁護士は申し立てに当たり、同被告がウィキリークスに大量の機密情報を提供した際に、その行為が国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)への直接的あるいは間接的なほう助に該当するということを「実際に認識」していたことを検察側は示せなかったと主張していた。

 これに対し判事のデニース・リンド(Denise Lind)大佐は、同被告は軍の訓練を通じて過激派もインターネットを活用していることを認識していたという証拠を検察側が提示していたとして、敵ほう助罪もこの裁判で審理されるのは妥当であると判断した。

 今回の判断は、同被告のこれらの罪状について判決を下すものではない。敵ほう助罪が確定すれば最高で終身刑、コンピューター不正行為の罪では禁錮10年を科される可能性がある。

 米メリーランド(Maryland)州フォートミード(Fort Meade)で6月に始まったこの裁判は、近く結審する見込みで、まもなく判決が下されるとみられる。(c)AFP