【8月20日 AFP】リオデジャネイロ五輪の陸上女子棒高跳びで金メダルを獲得したギリシャのエカテリニ・ステファニディ(Ekaterini Stefanidi)が19日、同種目のスター選手でありながら出場を禁止されたロシアのエレーナ・イシンバエワ(Yelena Isinbayeva)に反論した。

 今年の陸上欧州選手権(European Championships in Athletics 2016)覇者のステファニディは、4メートル85で優勝を飾り、同記録を跳んだ米国のサンディ・モリス(Sandi Morris)を試技数差で抑え込んだ。4メートル80を記録した十代のエリザ・マッカートニー(Eliza McCartney、ニュージーランド)が堂々の銅メダルを手にした。

 国家ぐるみのドーピング問題でロシアの陸上選手が全面出場禁止となったことを受け、この日行われた棒高跳び決勝は、五輪2連覇中の女王イシンバエワを欠く中でのタイトル争いとなり、注目が集まっていた。

 決勝に先立ち現役引退を表明したイシンバエワは、リオ五輪の金メダリストについて、注釈付きの勝者にすぎないと主張し、「誰が勝ったとしても、イシンバエワがいない中で成し遂げることになり、本当の意味での勝利とはいえません」とすると、「イシンバエワを倒したわけではないので、勝者は完全な金メダルではないと感じることでしょう」とコメントした。

 この発言を受けて、メダルを獲得したモリスとマッカートニーとともに幻滅した様子をみせたステファニディは、「たとえイシンバエワに次ぐ銀メダルだったとしても、私にとって五輪での成功の喜びは変わりません。誰もが彼女に出場してほしかったと思います。でも現実はこの通りで、私たちにはどうすることもできません」と反論した。

 モリスもこれに続き、「彼女が心から不満を抱いている気持ちは理解できます。自分の国の失態で五輪への出場が禁じられてしまった彼女の気持ちは、私には計り知れません。ですが彼女のコメントは礼儀を欠いていて、出場した選手を傷つけるものです。あんなことを聞かされるなんて失望しています」と語った。

 さらにマッカートニーも、「問題は誰が出場できたかということ。そして私たちが出場したということが重要なのです。あのコメントは必要ないものだと思います」と2人に同意していた。(c)AFP/Rob Woollard