受賞者は、30年以上前から日野市の給食にニンジンなど野菜を出荷するJA東京みなみ組合長の小林和男さん(68)ら40~70代の19人。5年以上給食に供給する農家で、供給年数の最長は40年以上に及ぶ。一人ずつ感謝状を手渡した小池知事は「皆さまの日々の新鮮な農産物は、子どもたちの健やかな成長を促してくれている」と祝辞を述べた。
受賞者を代表して、都内60校に小松菜などを供給する西東京市の田倉寿治さん(49)は「農地の少ない東京の子どもにも地場産の野菜を食べてもらいたいという思いで続けてきた」と語った。一方でコロナ禍の休校中、小松菜の出荷先を失ったことなどを振り返り、「行政と農業者が課題について話し合える場も設けてほしい」と要望した。
感謝状の贈呈は、都が2024年度に新設した「東京産農産物の学校給食活用促進事業」の一環。都食料安全課は「自校調理が大半の東京は、子どもと調理現場が近い。今回の表彰で農地との距離も縮め、地産地消と食育を両輪で進めたい」と意気込む。
(佐野太一)
上記以外の受賞者は次の通り。
▽足立区=宇佐美一彦
▽葛飾区=細谷浩
▽江戸川区=越塚弘、草薙昭広、横川雅道
▽小金井市=大澤利之、大澤かおる、鈴木沢七、高橋健太郎
▽小平市=加藤芳男
▽日野市=岸野國男、立川登美江、籏野利之、由木勉
▽羽村市=宮川豊
▽西東京市=田倉由祈子
▽瑞穂町=近藤剛