昨年末からオーストラリアで森林大火災が続いています。被害を受けた地域の広さは、日本の本州の約半分。これまでに少なくとも29人が死亡し、住宅2500棟以上が全焼しました。シドニー大学の専門家は10億匹を超える野生動物が火災で死亡したと推計しています。
オーストラリアはコアラやカンガルーなど多くの固有種を有する生き物の宝庫です。火災を生き延びた動物は、種の存続の役割を担う貴重な存在です。被害にあった動物はどうしているのでしょうか。北東部クイーンズランド州を拠点に、地元の野生動物保護施設の支援や日本での講演活動を行う環境保護団体「オーストラリア日本野生動物保護教育財団(AJWCEF)」の理事長で、獣医師の水野哲男さんに現地の状況を聞きました。
――昨年末から森林火災の被害が続いています。
南東部ニューサウスウェールズ州では深刻な被害が続いていますが、私たちが拠点とするクイーンズランド州では昨年9~11月ごろをピークに、火災は徐々に終息方向に向かっています。火災で多くの野生動物が焼け出されました。けがを負ったり、生き延びてもえさがなくて飢餓状態になったりするなど、今も厳しい状況が続いています。
――日本では病院で治療を受ける野生動物の映像がよく報道されています。動物たちはどのように病院に運ばれてくるのですか?
オーストラリアには政府や地…
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