五輪渋滞、豊洲市場も直撃 仕入れ遅れでランチ休業も
東京五輪に伴う交通規制による渋滞が、「食」にも影響を及ぼしている。東京の台所・豊洲市場周辺でも迂回(うかい)や渋滞が起こり、市場関係者からは不満の声があがる。
21日朝、豊洲市場から都心に抜ける晴海通りは、配送トラックや観光バスなどが列をなした。
市場から銀座や浅草方面の飲食店に鮮魚を納品する40代の業者男性は「もう仕事より渋滞の疲れが半端ない。勘弁してほしい」と漏らす。
東京五輪・パラに向けた交通規制で、6月下旬から「都道環状2号線」(環2)の豊洲から勝どきに抜ける部分が通行止めになった。
「市場周辺は機能不全」
普段の環2が使えないため、近くを走る晴海通りや、レインボーブリッジを渡り芝浦方面から銀座に入るルートで迂回する。普段より30~40分ほど遅れるため、飲食店にはその旨を伝えた。
五輪が近くなると、大会関係者の車両が増えた。さらに、19日からは選手や大会関係者、機材などの輸送をスムーズにするため、都内の首都高の通行料金を昼間から夜間に1千円値上げする「ロードプライシング」が始まり、回避するために一般道を走る車が増えた。
「豊洲市場周辺の道は機能不全だ」
市場関係者は、許可証があれば環2の一部である豊洲大橋を渡れるが、そのまま都心には行けず、結局は渋滞が集中する晴海通りに合流するルートになるため、遅延の解消効果としては薄いという。
男性は「環2を完全に通行止めにするとは思わなかった。五輪でそこまでやらないといけないのか」と話す。