入院優先の「重症」、どんな状態 軽・中等症との違いは

市野塊
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 新型コロナウイルスの感染者が急増している。政府は急増する地域で入院できる人を、重症者や重症化リスクの高い患者に限るよう都道府県に求める方針を決めた。では、重症者とはどんな患者なのか。

 厚生労働省新型コロナウイルスに感染した患者を症状別に「軽症」「中等症Ⅰ」「中等症Ⅱ」「重症」の4段階に分類している。

 容体や、動脈の血液がどの程度酸素を運べているかを示す酸素飽和度などから、医療従事者が判断する。

 7月30日に更新された診療の手引によると、軽症は呼吸器症状がないか、せきのみで呼吸困難がない場合。ただし、急速に病状が進行することもある。

 中等症は呼吸不全の有無によって二つに分けている。「中等症Ⅰ」では、息切れのような呼吸困難や肺炎の所見がある。より悪化した「中等症Ⅱ」では、自力では肺から酸素を十分に取り込めない呼吸不全におちいっており、酸素投与が必要な状態だ。

 重症は集中治療室(ICU)に入室するか、人工呼吸器が必要になる。体外式膜型人工肺(ECMO(エクモ))を使う場合もある。この状態になると命の危険が迫っている。

 「新型コロナウイルス感染症の特徴は、いつ重症化するかわからないこと」との指摘もある。軽症や中等症と判断されても、その後の病状の変化を慎重に見ていきながら、状況に応じて適切に医療機関につなぐ体制の整備が喫緊の課題になっている。

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この記事を書いた人
市野塊
科学みらい部兼国際報道部|環境省担当
専門・関心分野
気候変動・環境、医療、テクノロジー