ロシアによるウクライナ侵攻の影響はインドネシアのリゾート地、バリ島にも及んでいる。インドネシア政府がコロナ禍で「リモートワークの聖地」として売り出したことから、島には3万人を超えるロシア人が滞在。しかし、経済制裁によって現金が引き出せなくなったり、ウクライナ人滞在者との不和が広がったりしている。
経済制裁、生活を直撃
「クレジットカードがただのプラスチック片になってしまった」
そう話すのは約2年前からバリ島で暮らすロシア人女性(27)だ。3月5日、米クレジットカード大手のビザとマスターカードがロシアでの事業停止を発表。すると、手持ちの2枚のカードが9日から使えなくなった。
女性はオンラインでロシア語や英語を教えて収入を得てきたが、レッスン料は全てロシアの銀行口座を通じて受け取ってきた。3月12日、国際的な決済システムである「国際銀行間通信協会(SWIFT)」からロシアの大手銀行が排除されると、ロシアの口座から現金を引き出せなくなった。現在は制裁前に引き出しておいた蓄えを取り崩しながら生活している。
「ロシアと世界の国々の関係が揺らぐと、お金だけでなく、ビザの受け取りも難しくなる。(ロシア人である以上)ロシアとのつながりも切れない。私たちについて回る現実です」
なかには家賃支払いのために…
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