谷亮子さんが考える 「勝利至上主義」と「勝利を目指す」の違い
小学生の柔道全国大会が、「行き過ぎた勝利至上主義」の是正を理由に中止された。子どものスポーツはどうあるべきか、いまさまざまな観点から問い直されている。小学校2年生から柔道を始め、世界の頂点での勝利も敗北も味わった五輪5大会連続メダリストの谷亮子さんは、どう考えているのだろう。
1975年生まれ。福岡市出身。小学校2年で柔道を始める。シドニー、アテネ両五輪金メダルなど五輪で5大会連続メダル獲得。世界選手権でも7回優勝するなど48キロ級で圧倒的な強さを見せた。ヤワラちゃんの愛称で親しまれる。元参院議員。
――小学生の柔道全国大会の中止を聞いてどう思われましたか。
「率直に寂しい気持ちがしました。私自身、小学生の時に全国大会に出場しています。憧れの大会でしたから、鮮明に覚えています。その年齢の、その時期の貴重な経験で、成長につながるものを得たからです」
「大会が廃止されてしまうと、目指している子どもたちの目標の場所がなくなってしまいます。全日本柔道連盟での議論の結果、全て廃止するのではなく団体戦は残すことになり、5月の大会はその形で開催されました」
――「行き過ぎた勝利至上主義」についてはどう思われますか。
「周囲が、子どもたちに対し…