「統一教会と名乗ってはいけない」 元信者が明かした勧誘マニュアル
「統一教会」と名乗ってはいけない――。そう指示され、東日本に住む60代の女性は信者という「正体」を隠したまま「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」への勧誘を繰り返した。
「いいことをやっていても、迫害の目で見られている。うそをついてでも、素晴らしい教えを広めなくてはいけない」。先輩信者からそう言われていたという女性は、「私もそこまでしてでもやらなければいけないことなのだと、その時は思い込んでいた」と振り返る。
教団は、信者による霊感商法が刑事事件化した2009年、勧誘時には教団との関連性や目的を開示するよう内部通知したとされる。ただ、女性が証言した勧誘は、それ以降のことだったという。
勧誘にのめり込んでいた信者時代の思いや、先輩信者から手渡された手書きの「勧誘手法」の詳細を、朝日新聞の取材に語った。
「信じられない私がだめ…」
2010年夏。ある朝、自宅の玄関で掃除をしていたところ、見知らぬ女性に声をかけられた。「家系に興味ある?」。ちょうどそのころ、新聞の広告欄に載っていた家系についての本が気になっていたこともあり、「興味あります」と答えた。その日は15分ほど立ち話をしただけだったが、女性はその後も数カ月にわたって何度も訪ねてきた。
誘われた先が旧統一教会だと知ってショックを受けた女性は、ある言葉をかけられ信者になります。その後、自ら勧誘にのめり込んでいったころはどんな心境だったのでしょうか。
「宗教団体か何かなの?」と…
- 【視点】
記事で引用されている「嘘をついてでも、素晴らしい教えを広めなければならない」という言葉が、旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)のカルト性を言い表しているように思う。 その背景にあるのは、「人としての倫理や良識や社会のルールより、教義
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