かつて安倍晋三元首相に「保守派のスター」と称された高市早苗・経済安全保障相(62)が渦中の人となっている。国会では、放送法の政治的公平性をめぐる安倍政権下での首相官邸側とのやりとりを記した総務省の行政文書が明るみに出て追及を受ける。かたや地元・奈良県では知事選の候補者調整につまずき、この窮地をどう切り抜けるのか――。

 「わかってるわよ。だけど、私は間違ってないんだから」

 8日、国会で放送法問題の追及を受ける高市氏に、心配で電話した自民党議員が「もっと冷静に。言い方を考えないと」と話すそばから、高市氏は自信ありげにそう切り返した。

 立憲民主党の小西洋之参院議員によって文書が公表された翌3日、高市氏は定例記者会見を1問で打ち切って説明を避けた一方で、国会審議では「捏造(ねつぞう)だ」と否定した。当時、高市氏が総務省局長から説明を受けたなどとする文書の内容について、説明を「受けたことはない」と真っ向否定。週末をまたいだ7日の記者会見では、満面の笑みを浮かべながら「捏造であり、内容は不正確」との認識を重ねて示した。

 「捏造でなかった場合、議員辞職するか」と国会審議で問われた際は、「結構ですよ」と言い切った。

 高市氏が総務相時代に部下たちが作った文書をめぐり、強気の言動を続ける高市氏には自民内から冷ややかな視線が注がれている。

 閣僚経験者は「捏造とまで言っ…

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