「政治的中立」は政治的意見持たぬことではない 本来の意味と課題
聞き手 編集委員・豊秀一
「政治的中立性」や「政治的公平性」という言葉が飛び交ういまの日本社会。憲法学者で明治大学教授の江島晶子さんに、その本来の意味や使い方を聞きました。
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政治的中立という概念はあいまいさを有しています。不用意に使えば萎縮効果を生じさせ、民主主義にとって大切な言論空間の多様性を損ないかねません。
例えば、政治的中立という言葉がよく用いられるのは一般職の国家公務員についてです。しかし、公務員も人として思想良心の自由が憲法で保障され、いかなる考えを持とうとも、心の中にとどまる限り絶対的に自由です。重要なのは、公務員がその職務や立場を利用して、利用しない場合よりも自分の政治的意見を伝えやすくしてはならないことです。民主政治のプロセスをゆがめ、行政の中立的運営を害し、国民の行政への信頼を損なってしまうからです。
そうならないように法律は公…
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