「ビル建てず空と一体で」 神宮外苑再開発、住民の希望に事業者は

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土舘聡一 伊藤あずさ
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 神宮球場秩父宮ラグビー場の建て替えを含む明治神宮外苑地区(東京都)の再開発事業に関する住民説明会が17日、都内で始まった。東京都心の緑地で進む大規模事業に環境破壊などと批判が強いため、事業者側が3月の着工後、初めて開催。出席者からはビル建設の必要性などに厳しい意見が相次いだ。説明会後の取材に、事業者側は樹木伐採を9月以降とする考えを示した。

 再開発は、三井不動産や、外苑の多くの土地を所有する宗教法人・明治神宮など4者による民間事業。国立競技場などの隣接地で、球場などの建て替えのほか、高さ200メートル近い超高層ビル2棟の新築も計画する。完成予定は2036年。

 開発エリア内で837本を植樹する一方、700本以上の高木を伐採する計画が、環境破壊や景観悪化だと懸念されている。3月に亡くなった音楽家の坂本龍一さんが生前に中止を求める手紙を送ったり、作家の村上春樹さんがラジオ番組で反対を表明したりしたことも受けて計画反対の声が拡大。中止を求めるネット署名は21万筆超に上っている。

三井不動産などが説明した「神宮外苑再開発が必要な理由」

 説明会は17~19日に各1回の予定。初日は、各事業者の担当者らが外苑の課題として広場の不足や神宮球場の老朽化などを挙げ、再開発の必要性を説明した。焦点となっている樹木伐採については「できる限り多くの樹木を保存・移植する」とし、外苑の代表的景観となっているイチョウ並木への影響に関しても「土壌改良や、(近接する)新球場の設計変更なども検討する」とした。

説明会では、超高層ビルの建設計画について住民から質問が相次ぎました。「外苑はビルを建てず、空と一体の空間であってほしい」という意見もありました。事業者側は一つずつ回答していました。

 球場については、バリアフリ…

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