夫婦別姓の海外では「家族の絆は弱まっていない」 資生堂会長が言明
選択的夫婦別姓の導入を求めて、経団連がまとめた提言をめぐり、ダイバーシティ推進委員長を務める魚谷雅彦・資生堂会長が20日、日本記者クラブで講演した。「これ以上、先送りできない。強い危機感があった」と明かした。「家族の一体感が失われる」といった懸念には「(別姓が導入されている海外で)家族の絆が弱くなったとは聞いていない」と述べた。
経団連もかつては、政府が進める旧姓使用の拡大で足りるという立場だった。魚谷氏によると、経団連が2015年に立ち上げた女性役員のネットワークなどで、男性経営者が女性の役員や幹部候補らと対話する機会が増えた。それをきっかけに、海外出張の際にパスポートの姓と一致せずにホテルに宿泊できないといった旧姓使用の弊害を、認識するようになったという。そのうえで、「これ以上先送りできないという機運が高まっている。強い危機感のもとに提言をした」と語った。経団連内に「反対意見はまったくなかった。提言として出すと固まった段階で、強い賛同を得た」とも明らかにした。
岸田文雄首相は国会で、経団連の提言について問われ、「重く受け止める」と述べた。一方で、「家族の一体感や子どもへの影響などさまざまな視点から議論しなければならない」と従来の答弁に終始した。
魚谷氏は「先行している国で…
- 【視点】
”家族の絆”が姓くらいで失われるものだと自民党が考えているならば、それはむしろ”家族の絆”を馬鹿にしていることを意味する。 むろん、自民党が実際に固執しているのは、ごく一部の極端な保守層からの支持にしがみつきたいということにすぎない。 選択
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