欧州政界揺さぶるマスク氏 右翼応援に首脳へ辛らつ発言、警戒強まる

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ベルリン=寺西和男 ロンドン=藤原学思 パリ=宋光祐
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 トランプ米次期政権で要職に就く実業家イーロン・マスク氏が欧州の政界を揺さぶっている。2月のドイツ総選挙に向け、反移民を掲げる右翼政党「ドイツのための選択肢(AfD)」へ投票を呼びかけ、スターマー英首相に辞任を迫る。欧州主要国では「内政干渉」に警戒が強まっている。

 「AfDだけがドイツを救える」。マスク氏は9日、AfDのワイデル共同党首とX(旧ツイッター)上で対談し、繰り返しそう呼びかけた。支援の理由について「現状に不満があれば変化を求めて投票しなければならない」と述べ、AfDこそが変化を生み出せる唯一の政党という見方を示した。対談ではドイツの移民政策やエネルギー政策などについて意見交換し、不法移民の問題や原発推進の必要性などで意見が一致した。

 マスク氏はXでショルツ独首相を「無能な愚か者」と露骨に批判。世論調査で2位のAfDが勢いづく可能性があり、与党だけでなく他の野党からも選挙介入だと批判的な声が上がっている。

 一方、マスク氏は、SNS上…

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この記事を書いた人
寺西和男
ベルリン支局長
専門・関心分野
欧州の政治経済、金融、格差、ポピュリズム
藤原学思
ロンドン支局長
専門・関心分野
ウクライナ情勢、英国政治、偽情報、陰謀論