マスク求められ暴言の市議辞職 検便袋投げて「若造が」
高橋孝二
マスクの着用を求めた岡山県赤磐市職員に威圧的な言動をしたとされる行本恭庸(ゆくもとやすのぶ)市議(73)=3期目=が1日、同日付の辞職願を市議会議長に出した。市議会は本会議で採決し、出席した16人全員がこれに賛成して辞職が認められた。行本市議は取材に「不徳の致すところ。誠に申し訳ない」と話した。
行本市議は11月4日、検診で訪れた市の施設で女性職員からマスク着用を求められた。その際に「検体を出すだけなのにマスクは必要ない」などと大声で言い、検便の入った検体袋を近くの机に投げつけた。さらにその後、「この若造が」と怒鳴ったという。
報じられて以降、市には「議員辞職すべきだ」「マスクを着けないのはけしからん」などの電話やメールでの意見が約80件寄せられたという。
「私が原因。市や議会が混乱し、市民に(これ以上)迷惑をかけたくなかった」と辞職の理由を語り、来春予定の市議選には立候補しないと述べた。友実武則市長は「市議には職員を思いやる気持ちで接してもらいたい。市民の信頼を一日も早く回復したい」と話した。
行本市議は、以前にも市役所の清掃を請け負う福祉事業所の職員らに威圧的な発言をしたなどとして、9月の市議会で辞職勧告決議案が可決されている。