猫も「取ってくる」遊びが好き 犬と同じくらい……でもやり方は猫が決める 英研究
ショーン・セドン、BBCニュース
投げられた物を取ってくる遊び(フェッチ)は、犬にとって生活の重要な一部だ。しかし、多くの猫も犬と同じくらいこの遊びを楽しんでいることを、科学者らが明らかにした。
イギリスのサセックス大学とノーサンブリア大学の研究者らが、猫を飼う1000人を対象に、前例のない研究を実施。その結果、猫の遊びについて新情報が得られた。
研究報告は、英科学誌ネイチャーに掲載された。
自分の猫が何にどう反応するかについて、飼い主は決めつけないほうがいいことが研究成果から分かったと、研究チームは話している。
研究によると、多くの猫は本能的に遊ぶのが好きなので、猫が楽しく活動的に暮らすため、飼い主は今まで以上に工夫するのが推奨されるという。
また、「持ってこい」「とってこい」とも呼ばれる「フェッチ」をどのように遊ぶか、猫は一般的に自分でコントロールしたがることが、研究から明らかになった。「フェッチ」の遊びに、特に訓練は必要ないという。
サセックス大学心理学部の博士課程で研究するジェマ・フォーマンさんは、「自分からフェッチを始めた猫は、より熱心に遊び、1カ月当たりのフェッチ遊びの回数も多かった」としている。
「自分が状況をコントロールしていると猫が感じることが、猫の福祉と、猫と飼い主の関係にとって有益かもしれない」と、フォーマンさんは話す。
「飼い主には、猫の遊びの好みに応えることで、猫のニーズを受け入れるよう、お勧めする。すべての猫がフェッチをしたがるとは限らないが、やりたがる場合は、それぞれ独特のやり方をもっているはずだ」
純血種で遊びやすいのは
今回の研究は、フェッチをする猫1154匹(雑種994匹、純血種160匹)の飼い主924人から情報を集め、猫の行動をよりよく理解することを目指した。
その結果、大多数(94.4%)の猫が、取ってくる物がおもちゃか、一般的に家の中にあるものかにかかわらず、子猫のころから本能的にフェッチをすることが分かった。
純血種でフェッチをしたのはシャムが最も多く(22.5%)、次いでベンガル(10%)、ラグドール(7.5%)が多かった。
研究結果を共同執筆したノーサンブリア大学心理学講師のエリザベス・レナー博士は、「猫自身がこの行動を主導していることを明らかにした点で(今回の結果は)重要だと考えている。調査した飼い主で、フェッチをするよう猫を明らかに訓練した人はほとんどいなかった」と話した。