日銀の政策指針廃止は緩和撤廃への第一歩、一段の円高も-海外投資家
田村康剛日本銀行は28日に開催した金融政策決定会合で、1年から1年半をかけて政策の多角的レビューを実施するほか、先行きの政策指針となるフォワードガイダンスの撤廃を発表した。海外投資家の間からは、為替市場での円高進行を予測する声が上がっている。
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為替取引のトレーディングルーム
Photographer: Toru Hanai/Bloomberg
日銀の発表後、外国為替市場でドル・円相場は一時135円台前半まで円安が進んだ。債券相場は、イールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)政策など現行緩和策の維持を受けて上昇転換。円安や緩和政策の維持が投資家に好感され、株式相場もTOPIXや日経平均株価が上げ幅を拡大した。
市場関係者の見方
オーストラリア・コモンウェルス銀行のストラテジスト、ジョセフ・カパーソ氏
- 日銀の声明文の変化はこの先数カ月のYCCやマイナス金利政策撤廃へのステップだとみている。日銀が金融政策の引き締めをじきに行うとのわれわれの見解により自信を持つようになった
- きょうの決定が市場関係者の間で消化されれば、円は来週の早い段階で下落幅を埋めるだろう
サクソ・キャピタル・マーケッツのシニア市場ストラテジスト、チャル・チャナナ氏
- 植田新総裁は中央銀行のコミュニケーション上のイメージを改善しようとしているようだ
- きょうの発表で政策を微調整するドアを開けておくことが明らかになりつつあり、円高進行の可能性を示唆している
クレディ・アグリコルCIBのシニアFXストラテジスト、デービッド・フォレスター氏(シンガポール在勤)
- 新しいフォワードガイダンスは中立的なバイアスへの移行となり、日本円にとってはポジティブ
- そうした変化を投資家は、金融政策の大幅変更となる前兆とみることもできるだろう
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