ラガルド総裁、夏の利下げ「可能性高い」維持-市場は4月見込む
Mark Schroers、Alexander Weber、Jana Randow-
ECB、中銀預金金利を過去最高の4%で維持-3会合連続据え置き
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ラガルド氏会見、市場はハト派的と認識-4月利下げ確率90%に上昇
欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は25日、夏以降に利下げがあり得るとの自身の考えをあらためて示した。市場はこれを、早期利下げがかなりの確率であり得る兆しだと受け取った。
ラガルド総裁は政策発表後の記者会見で、利下げはまだ議論されていないと説明しつつ、「前に自分が言ったことに変わりはない」と述べた。利下げ開始時期について夏の「可能性が高い」としたダボスでの発言に言及した。
ECBは中銀預金金利を3会合連続で過去最高の4%に据え置いた。総裁は「インフレ率が遅滞なく目標に到達すると十分に確信できるようになるには、ディスインフレのプロセスをさらに進める必要がある」と述べた。
年半ばごろからの利下げ開始を明言はしなかったものの肯定したことで、短期金融市場では引き下げ予想が強まり、4月の利下げは確率90%と織り込まれた。通年の緩和幅の見通しも130ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)から141bpに拡大した。
国際通貨基金(IMF)などが世界中の中央銀行に対し、インフレが克服される前に金融緩和を急がないよう求めているにもかかわらず、利下げを見込む取引は止まらない。
総裁は「政策委員会では、利下げを議論するのは時期尚早だというのがコンセンサスだった」と述べたが、ユーロ圏経済の苦境やインフレ見通しの改善も総裁は強調。早期利下げを期待する投資家を押し戻す姿勢は限定的に映った。
「夏に利下げの公算が大きいという自身の見解に変わりはないとラガルド総裁は述べたが、それ以外の論調は早期利下げを支持しているようだった」とプリンシパル・アセット・マネジメントのチーフグローバルストラテジスト、シーマ・シャー氏は語った。
「ラガルド氏が指摘したように経済成長に対するリスクは下振れ方向で、基調的インフレ率は下落トレンドを続け、賃金の伸びは減速している。ECBがデータに依拠しているのは明らかだが、ECB当局者が注目するデータは今後数カ月以内、4月にも利下げがあることを示唆している。今年の夏は早くやって来るかもしれない」と続けた。
ECB当局者はインフレ率が目標の2%に戻るのは2025年と考えており、紅海の海運に対する攻撃を受けてサプライチェーンの混乱が再燃することを警戒している。
ラガルド総裁は「インフレに対する上振れリスクには、特に中東における地政学的緊張の高まりが含まれる」とし、「われわれは非常に注意深く、動向を観察している」と述べた。
当局者は1-3月(第1四半期)に行われる欧州の賃金交渉の結果を見極め、インフレ率が目標に向かっていることを再確認したい考えだ。これは6月より前の利下げはないことを示唆する。
一方、ユーロ圏の生産は低迷している。来週発表される昨年10-12月(第4四半期)のデータでは、新型コロナ禍以来のリセッション(景気後退)が確認される可能性がある。域内最大の規模を誇るドイツ経済は2023年通年で0.3%縮小した。
「ユーロ圏経済は23年の最終四半期にゼロ成長だった可能性が高い」とラガルド氏は述べ、成長へのリスクは下方向に傾いているとの認識を示した。今年が進むにつれて状況は改善する可能性が高いと付け加えた。
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原題:ECB’s Lagarde Stands By Comments on ‘Likely’ Summer Rate Cut (1)、Lagarde’s Talk of Summer ECB Cut Sees Traders Bet on April (1)(抜粋)