ユーロ圏インフレ率、1月は予想上回る-ECB利下げ観測不透明に
Mark Schroers
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ユーロ圏CPIは2.8%上昇、エコノミスト予想中央値は2.7%上昇
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市場は特に反応せず、4月までの初回利下げ確率を約90%と織り込む
ユーロ圏のインフレ率は1月に前月比で低下したものの、市場予想を上回った。欧州中央銀行(ECB)は春にも利下げを開始するとの投資家の見通しが試される結果となった。
欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が1日発表した1月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)速報値は前年同月比2.8%上昇。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値は2.7%上昇だった。食品やエネルギーなど変動の激しい項目を除くコアインフレ率は3.3%と、これも市場予想を上回った。
インフレ統計発表後の市場の反応は薄かった。トレーダーは今年ほぼ6回の0.25ポイント利下げを見込んでおり、4月までに初回利下げが実施される確率を90%近くと想定する。金融政策の変化に特に敏感なドイツ2年債は発表前からの下げを維持し、利回りは5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.47%で取引されている。
1月のユーロ圏消費者物価指数:速報値(表)
2022年7月から23年9月にかけての連続利上げの後で、ECBは今年に入り金融緩和への扉を開いた。ただECB当局者は、インフレ率が目標の2%に向かって確実に低下しているとの確信を得る前に利下げ時期の明確なガイダンスを示すことには慎重だ。
ECBは今年さらなるインフレ鈍化を予想しているが、そのペースは23年と比べて大幅な減速を見込んでおり、インフレ目標の達成時期は引き続き25年と予測している。
原題:Euro-Area Prices Slow Less Than Expected, Clouding ECB Cuts (1)
(抜粋)
(第2段落に情報を加え、第3段落以降を加えます)
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